2003 Fiscal Year Annual Research Report
ジアンヒドロ糖の水素移動重合による新規な多分岐糖鎖の合成とその機能化
Project/Area Number |
15750096
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
佐藤 敏文 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (80291235)
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Keywords | ハイパーブランチポリマー / 糖鎖ポリマー / 環化重合 / カチオン重合 / 水素移動重合 / 多分岐糖鎖 / ジアンヒドロ糖 |
Research Abstract |
本研究では、1,2:5,6-ジアンヒドロ-D-マンニトール(1)の水素移動反応を伴う環化重合によって、新規な多分岐糖鎖(2)の合成を行なった。モノマー1のアニオン重合は開始剤としてtert-ブトキシカリウムを用い、テトラヒドロフラン中、23℃にて行った。カチオン重合は開始剤として三フッ化ホウ素エーテル錯体を用い、ジクロロメタン中、0℃および23℃にて行った。生成糖鎖は透析膜を用いて精製した。精製後、生成糖鎖の分子量はサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)、静的光散乱(SLS)によって求めた。構造については、NMRによって決定し、分岐度を算出した。カチオン重合の場合はゲル化する事なく進行し、生成糖鎖はテトラヒドロフランおよびジクロロメタンに不溶性、メタノール、水に可溶性の白色固体であった。一方、アニオン重合の場合、生成糖鎖のほとんどは不溶性のゲルであった。SECによって見積もられた生成糖鎖の重量平均分子量(Mw, SEC)は1100-3600であったのに対し、SLSによって求められた重量平均分子量(Mw,SLS)は2.08x10^5-2.69x10^6であった。いずれにおいてもMw,SECはMw,SLSよりも小さく見積もられ、生成糖鎖が球状に近い形を有している事が示唆された。さらに粘度測定により、Mark-Howink定数(α)の値を求めたところ、αは0.29であった。以上の結果より、生成糖鎖はハイパーブランチ糖鎖であることが示された。生成糖鎖の^13C NMRスペクトルには2,5-アンヒドロ-D-グルシトール(3)ユニット由来のピークおよび、ポリマー末端に由来するピークが見られる。NMRによる生成糖鎖の構造解析の結果より、Freyの式を用いて分岐度を算出したところ、0.44-0.46であった。 以上より、1,2:5,6-ジアンヒドロ-D-マンニトール(1)の環化重合は水素移動反応を伴いながら進行し、2,5-アンヒドロ-D-グルシトール(3)ユニットからなる新規なハイパーブランチ糖鎖(2)を生成した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Toshifumi Satoh: "Synthesis of Hyperbranched Polysaccharide by Thermally Induced Cationic Polymerization of 1,6-Anhydrohexopyranose"Macromolecular Symposia. (in press).
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[Publications] Tomoko Imai: "Synthesis of Hyperbranched Carbohydrate Polymer by Ring- opening Multibranching Polymerization of 1,4-Anhydro-erythritol and 1,4-Anhydro-L-threitol"Macromolecules. (in press).
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[Publications] Toshifumi Satoh: "Cyclopolymerization of Dianhydro Sugar Leading to Novel Carbohydrate Polymers as Macromolecular lonophores"Progress in Polymer Science. 29・1. 13-43 (2004)
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[Publications] Tomoko Imai: "Synthesis of Hyperbranched 2,5-Anhydro-D-glucitol by Proton-Transfer Cyclopolymerization of 1,2:5,6-Dianhydro-D-mannitol"Macromolecules. 36・11. 6359-6363 (2003)
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[Publications] Toshifumi Satoh: "Synthesis of Hyperbranched Polysaccharide by Thermally Induced Cationic Polymerization of 1,6-Anhydro-β-D-mannopyranose"Macromolecules. 36・11. 6364-6370 (2003)
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[Publications] 佐藤 敏文: "開環-環化重合による糖鎖高分子の合成"高分子加工. 52・2. 66-74 (2003)