2003 Fiscal Year Annual Research Report
ホタテ貝殻セラミックスの薄膜化と環境浄化材への応用
Project/Area Number |
15750134
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Research Institution | Asahikawa National College of Technology |
Principal Investigator |
古崎 睦 旭川工業高等専門学校, 助教授 (40280317)
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Keywords | ホタテ貝殻 / 薄膜 / 環境浄化材 / スプレー熱分解法 / ホルムアルデヒド |
Research Abstract |
本研究は、ホタテ貝殻セラミックスを様々な基板上に低コスト・低エネルギーで薄膜化する技術を検討し、得られた材料をガス状有害物質の除去や水処理に応用することを目的としたものである。実施1年目の本年度は、湿式法(超音波式スプレー熱分解法)によって基板上へセラミックス膜を形成する際の最適条件を調べ、さらに作製した薄膜のホルムアルデヒド減少能を評価した。 カルシウム濃度が0.1〜0.6molL^<-1>となるようにホタテ貝殻粉末を0〜15vol%-酢酸水溶液に溶解し、これらを出発溶液とした。スプレー熱分解法によって均質膜を形成する際には、基板温度およびミスト吹き出し口-基板の相対位置が重要な因子となる。石英、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、アルミナ、安定化ジルコニアなどを基板として用いたところ、いずれの場合も基板温度170℃付近で、酢酸カルシウム0.5水和物からなる均質な多孔性前駆体膜(膜厚数10μm)を形成することができた。また、これらを大気中で焼成することにより、500〜550℃では炭酸カルシウム膜を、600℃以上で酸化カルシウムの単一相膜を得られることが確かめられた。 作製した前駆体膜および焼成膜を基板ごと、初期濃度約1.0ppmに設定したホルムアルデヒド雰囲気中に暴露すると、担持されているホタテ貝殻セラミックス量は極めて少ないにもかかわらず、いずれの膜についても顕著な減少挙動が認められた(膜暴露面積:雰囲気体積比≒1cm^2:420〜1250cm^3)。特に800℃以上で焼成し、結晶性を高めた酸化カルシウム膜が優れた減少効果を示すことがわかった。 次年度は、乾式法によるセラミックス膜の形成およびホルムアルデヒド減少機構の検討を行う予定である。
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