2003 Fiscal Year Annual Research Report
分子線エピタキシー法による自己形成量子ドット成長のその場時分割X線回折
Project/Area Number |
15760014
|
Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
高橋 正光 特殊法人日本原子力研究所, 放射光科学研究センター・構造物性研究グループ, 研究員 (00354986)
|
Keywords | ガリウムひ素 / インジウムひ素 / 自己形成量子ドット / 分子線エピタキシー / その場測定 / 時分割測定 / 放射光X線回析 / 逆格子マッピング |
Research Abstract |
本研究課題は、分子線エピタキシー法による半導体量子ドットの成長過程を、放射光X線回折によりその場測定することを日的としている。研究期間の1年目にあたる本年度は、半導体量子ドットからのX線回折強度の三次元逆格子マッピングの測定方法を確立することを目標とした。 第一に、X線CCD検出器を用いた測定を可能にするための測定装置の整備をおこなった。時分割測定のためには、精度の高い回折データを高速に取得することが不可欠である。バックグラウンドを低減させ、回折データの精度を向上させる目的で、X線CCD検出器用光学系を新規に作製した。さらに、データの高速な取得のために、X線回折計とX線CCD検出器とを総合的に制御する測定用ソフトウェアを開発した。その結果、10秒程度の時間分解能を実現できる測定システムを構築することができた。 第二に、量子ドット成長開始時の基板の表面構造を明らかにするため、成長条件下におけるガリウムひ素基板表面の精密構造解析をおこなった。これは、量子ドット成長過程を考察する上で基礎となる情報である。 第三に、ガリウムひ素基板上に、典型的な条件でインジウムひ素量子ドットを成長させ、その場逆格子マッピングの測定をおこなった。その結果、量子ドット内部のひずみ・組成をその場解析することに成功した。 以上により、その場三次元X線逆格子マッピングの測定システムが、測定・解析の具体的な手順を含め、確立された。次年度以降は、解析のさらなる精密化をはかるとともに、いろいろな成長条件下で成長させた量子ドットに対して測定をおこなうことで、成長過程に対する考察を進めていくことを予定している。
|
Research Products
(1 results)