2004 Fiscal Year Annual Research Report
鳥の呼吸メカニズムを模倣した新しい呼吸介助技術の開発研究
Project/Area Number |
15760123
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
田中 学 千葉大学, 知的財産本部, 助教授 (20292667)
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Keywords | 鳥の肺 / 呼吸 / 生物流体力学 / 振動流 / 分岐管 / 流量分配 |
Research Abstract |
本年度は,昨年度より継続している鳥の肺を模擬した直角分岐管を経て再び合流するループ状流路に振動流を与えた場合の可視化実験と並行して,CTスキャンより得た実際のヒト肺気道形状を用いて気道内の空気往復流れの数値解析を行い,ヒト肺気道内の流れの基礎的特徴と流体粒子の挙動に関して検討を行った.CTスキャンにより得られた画像から抽出した気道部位は,気管(径約14mm)から左右気管支を経て最大7世代までの気道(径約2mm)までの範囲とした.気道形状は,気管より気道長さ方向に3mm間隔の計80枚のCT画像を用い,1mm間隔の画像を補間により作成して気道断面の抽出を行うことにより決定した.肺気道モデル内の流れの特徴に関する知見を得るため,汎用熱流体解析ソフトFLUENTを用いて気道モデル内往復流の数値解析を行った.基礎方程式は連続の式と運動量保存式であり,対流項の離散化には2次精度風上差分法を用いた.計算結果より,吸気位相における二次流れの様子は従来示された平面的な分岐構造を持つモデル流路内の流れの傾向と定性的に一致することがわかった.また,呼気位相における二次流れの様子は従来の平面的な分岐構造を持つモデル流路内の流れの特徴とは異なる複雑な流動状態を示すことがわかった.さらに肺気道内の流れの特徴として,往復流であっても流体粒子は1周期毎に初期位置に戻ることはなく,周期毎に大きく混合されながら空間的に不均質に気道長さ方向に移動していくことなどを明らかにした.
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Research Products
(3 results)