2004 Fiscal Year Annual Research Report
数値最適化手法を用いた制御系設計の基盤をなす行列不等式に関する研究
Project/Area Number |
15760314
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
蛯原 義雄 京都大学, 工学研究科, 助手 (80346080)
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Keywords | 制御系設計 / 数値最適化 / 行列不等式 |
Research Abstract |
本研究の主目的は、数値最適化手法に基づく制御系の設計および解析において重要な役割を果たしている行列不等式、中でも伸張型と呼ばれる行列不等式に関する基礎理論を確立することにある。本年度は、多目的制御系設計、ならびに大規模システムの分散制御系設計における伸張型線形行列不等式の有効性に関し、我々が明らかとしてきた成果を論文としてまとめ、発表した(裏面11項第2番、3番目に記載)。さらに伸張型行列不等式の研究を行う上で重要な礎の一つとなる消去補題と呼ばれる代数的な等価変換手法が、古くから研究が行われているモデル低次元化問題における種々の既存結果を簡明な形で導く上で有効であることが明らかとなり、この成果を論文として発表した(裏面11項第1番目に記載)。また、伸張型行列不等式に関する研究の近年の国内外の動向を解説記事として報告した(裏面11項第4番目に記載)。 伸張型行列不等式の研究を進める上で得られた知見は、他の研究を行う上でも有用なものとなっている。画像処理の分野で研究の対象となる2-Dシステムの安定性に関する行列不等式に基づく必要十分条件の導出や、一般化S-Procedureと呼ばれる手法を用いた線形システムの解析条件の導出なども達成できており(裏面11項第5、6番目に記載)、今後の研究の進展にも大いに希望が持てるものとなっている。
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Research Products
(6 results)