2003 Fiscal Year Annual Research Report
都市高速道路における交通流動の推移を考慮した適応的リアルタイム交通制御モデル構築
Project/Area Number |
15760395
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
奥嶋 政嗣 岐阜大学, 工学部, 助手 (20345797)
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Keywords | 交通流シミュレーション / 個別車両 / 乗り継ぎ制 / ファジィ制御 / 流入調整 / 経路探索アルゴリズム / 動的LP制御 / 経路選択行動 |
Research Abstract |
本研究は、交通シミュレーションを用いたリアルタイムでの都市高速道路の交通管理システムの構築により,都市道路網全体の円滑化を図ることを目的としている。初年度にあたり、高度化したITS技術を用いた交通管理方法の提案し,「基本型交通シミュレーション」を用いて有効性を検証した。 1)都市高速道路における交通管制の意思決定支援のため,リアルタイムでの道路交通状況の観測データを用いた交通状況推計モデルとして,「基本型交通シミュレーション」を構築した.このとき基本構成要素として,(1)高速道路本線交通推計,(2)一般道路迂回交通推計の2プロセスで構成した. 2)高度化された交通管制技術の検討のため,交通状況,制御状況および情報提供内容に応じた利用者の経路選択プロセスを「基本型交通シミュレーション」に組み込んだ.これより任意の地点での経路候補抽出が可能となった.また走行軌跡データの記憶領域節減のための計算方法を提案した. 3)都市高速道路の流入制御について,交通管制官の経験的知識を利用した制御モデルとして,ファジィ制御モデルを構築した.リアルタイムでの観測可能な4指標により,5分間流入交通量を決定するファジィ制御ルールを記述し,交通シミュレーションにより制御効果の推定を行った.代表的な制御モデルであるLP制御モデルとの比較に基づいて,提案したモデルの特長を明確にした. 4)乗り継ぎシステム導入時の交通混雑緩和効果を,交通シミュレーションを用いて実証した.数箇所の乗り継ぎシステム導入箇所を選定し,交通シミュレーションを用いて交通状況の空間的・時間的変動について分析した.時間推移の観点から乗り継ぎシステム導入の利害得失について明示した. 5)動的なシステム最適状態を目指した経路誘導方法として,個別経路情報を用いて利用者の経路分散を実現する情報提供方法を提案した.個別車両を目的地に対応したグループに分類し,基本的情報提供パターンを設定し,交通シミュレーションを用いて,個別車両への情報提供の有効性を示した.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Masashi Okushima, Yoshiharu Takihi, Takamasa Akiyama: "Fuzzy Traffic Controller in Ramp Metering of Urban Expressway"Journal of Advanced Computational Intelligence & Intelligent Informatics. Vol.7/No.2. 207-214 (2003)
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[Publications] 奥嶋政嗣, 藤井聡, 菊池輝, 北村隆一: "個人のOD所要時間動的算定のための交通流シミュレータの開発"土木学会論文集. No.730/IV-59. 29-42 (2003)
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[Publications] 奥嶋政嗣, 秋山孝正: "一般街路の交通状態を考慮した都市高速道路交通制御方式の検討"第23回交通工学研究発表会論文報告集. Vol.23. 21-24 (2003)
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[Publications] 奥嶋政嗣, 大窪剛文, 大藤武彦: "都市高速道路における交通管理施策評価のための交通シミュレーションシステム開発"土木計画学研究・論文集. Vol.20/No.3. 531-538 (2003)
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[Publications] 奥嶋政嗣, 秋山孝正: "一般道路を考慮した都市高速道路交通管理へのファジィ流入制御方法の導入"第2回ITSシンポジウム論文集. Vol.2. 105-110 (2003)
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[Publications] 奥嶋政嗣, 大藤武彦 雪本雄彦, 秋山孝正: "都市高速道路における渋滞水準制約による動的流入制御の提案"土木学会第58回年次学術講演会講演概要集. Vol.58(CD-ROM). No.4-No.191 (2003)