2004 Fiscal Year Annual Research Report
我国の「都市デザイン」の基礎理念の体系化に向けた、その萌芽過程の復元
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15760451
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中島 直人 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (30345079)
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Keywords | 都市デザイン / 1960年代 / アーバンデザイン / アメリカ / イギリス |
Research Abstract |
本研究では、1950年代終盤から1960年代にかけて、アメリカでの「アーバンデザイン」に関する先進的な議論や事例を参考にしながら、我国において主張されるようになった「都市デザイン」について、誕生期の当事者へのインタビューや文献整理によって、その当初に持っていた問題意識や基礎理念を明らかにすることを目的としているが、今年度は、昨年度に実施した12人の上記該当者へのインタビュー記録に関して、テープ起こしの仕上げを行った。具体的には、注釈付与、参考文献収集などの整理作業を行った。その結果、12人を中心に、当時の東京大学高山研究室関係者や丹下研究室関係者、早稲田大学都市計画研究室関係者、京都大学計画系研究室関係者、更にはハーバード大学留学者という学系とそれぞれの「都市デザイン」理解というかたちで、都市デザイン萌芽期の人脈系譜図を描きだすことに成功した。 また、平行して、我国の「都市デザイン」の誕生期において影響を及ぼしたのは、アメリカでの「アーバンデザイン」のみではなく、イギリスの「タウンデザイン」ないしは「アーバンデザイン」論であったことを念頭に、1950年代から1960年代にかけてのイギリスの「タウンデザイン」、「アーバンデザイン」の状況を把握するために、イギリスにて、文献資料の収集を行った。また、アメリカの「アーバンデザイン」の前史として、アメリカの都市計画におけるデザインの位置づけについて、昨年度にアメリカ現地調査で収集した資料の整理を主としながら、遡及的な考察を行い、戦前期における議論を、建築家らによる公共建造物のデザイン審査機関である芸術委員会の活動を明らかにし、アメリカと我国との都市設計における影響関係が、都市デザインの誕生期以前から存在していたことを明らかにした。
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Research Products
(1 results)