2003 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者施設における利用者・職員の「はきもの」の実態とその座位・居方への影響
Project/Area Number |
15760457
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
三浦 研 京都大学, 工学研究科, 助手 (70311743)
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Keywords | 高齢者施設 / 床座 / 椅子座 / 居方 |
Research Abstract |
現在、多くの高齢者福祉施設では、介護・管理の面から車椅子やベッドを中心とした椅子式生活が行われ、施設の床材は、車椅子やベッドの移動に耐えうる素材が用いられ、衛生面からも座式生活は選択されて来なかった。しかし、近年、宅老所や逆デイサービスなど、在宅生活と同様に、座敷や床座での生活を特徴とする、民家改修型の高齢者施設の家庭的雰囲気が評価されている。 そこで本研究では、姿勢と交流の関係性に着目し、同一社会福祉法人の運営する座式中心施設と椅子式中心施設の2施設を対象に、高齢者の集まりの場(少人数の高齢者が共に日常生活を営む場所)における交流様態を考察し、それぞれの座様式の特性を明らかにすることを目的で利用者および職員に対する非参与の行動観察調査、写真、ビデオ撮影を実施した。 なお、姿勢および目の高さによる分析を行うため、小原らによる基本姿勢分類^<*1>を参考としたうえで、職員に関しては、実測に基づき基本姿勢を5モデル作成し、利用者に関しては、写真、ビデオによる画像から読み取る形で、身長別に利用者を7モデル作成している。 その結果、会話時の利用者・職員の頭頂間の位置関係を平面図にプロットしたところ、座式中心施設の方が会話時の頭頂間の位置関係にヴァリエーションが多く確認された。一方、椅子式中心施設においては、ソファーに座る利用者に対して、職員が異なる姿勢でソファーまわりから話しかけるという交流様態が多く、ソファーセットなどの設えに影響を受けやすく、会話時の利用者の頭頂間の位置関係利用者の居場所や姿勢に変化が少ないことが示された。 *1 日本建築学会編:小原他、建築設計資料集成[人間]、2003
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Research Products
(1 results)