2003 Fiscal Year Annual Research Report
超音速噴流の二次不安定性を利用した渦形状制御と騒音抑制
Project/Area Number |
15760595
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
荒木 幹也 群馬大学, 工学部, 助手 (70344926)
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Keywords | スクリーチ / ジェット騒音 / ターボジェツト / サイドジェット / 全圧損失 |
Research Abstract |
超音速飛行用ジェットエンジンからは,スクリーチと呼ばれる非常に強い騒音が放出される.スクリーチは,超音速噴流中に形成されるショックセルと,渦との干渉によって生じる.ノズルの幾何学形状を変化させることによるスクリーチ低減の試みは,これまで数多く報告されている.しかしながら,ノズル幾何学形状を変化させた場合,ジェットエンジンの推力低下を招く.本研究では,スクリーチの低減と,ジェットエンジン効率の両立を目論み,気体噴射によるスクリーチ低減を試みた.気体噴射により,流体力学的にノズルの形状を変形させる.この方法では,気体噴射を止めることで損失がゼロとなる。このため,騒音が問題とならない洋上飛行時などは,損失をゼロとすることができる. 直径8mmの円形先細ノズルから,不足膨張噴流を形成する.この超音速噴流に対し,質量流量で数%程度の気体を噴射する.これをサイドジェットと呼ぶ.サイドジェットの数は,2本ないし4本とした.超音速噴流からのスクリーチをピエゾ式圧力センサで計測した.この結果,サイドジェットを用いることで,スクリーチの音圧レベルが最大で約20dB減少することが確認された.これは,サイドジェットを用いることにより,超音速噴流と周囲空気との混合が促進され,ショックセルの減衰が早くなったたのと考えられる.超音速噴流の全圧損失をピトー管を用いて計測した.この結果,全圧損失は,数%程度であることが確認された.以上から,サイドジェットは,スクリーチ低減に極めて有効であることが確認された.
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