2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15790165
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
西川 学 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (00347494)
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Keywords | ミトコンドリア / ミトコンドリア遺伝子 / 発癌 / 炎症 / 酸化ストレス |
Research Abstract |
現在、世界的にミトコンドリア遺伝子変異と発癌との関係が注目されているが未だその因果関係は明らかではない。申請者らは、炎症性発癌組織において極めて多くのミトコンドリア遺伝子変異が蓄積していることを発見した。驚いたことに、たとえ正常組織であっても慢性炎症によって本変異が経時的に蓄積してある閾値を越えると発癌することを突き止めた。これらのことに基づいて臨床検体を用いて解析した結果、慢性ウイルス性肝炎症例の肝組織において極めて多くのミトコンドリア遺伝子変異が蓄積していることを見出した。これまでの研究で、インターフェロン投与によりウイルス肝炎からの肝発癌を抑制できることが判明しているが、その分子機構は明らかではない。そこで、インターフェロン投与前後で肝ミトコンドリア遺伝子変異を解析したところ、本剤投与により変異が著明に減少することが明らかとなった。また、自然肝発癌モデル動物であるLECラットでは、炎症の持続により肝ミトコンドリア遺伝子変異が蓄積して肝ミトコンドリア機能障害および肝傷害が誘導されて発癌するが、申請者らがミトコンドリア保護物質として提唱しているカルニチンを経口投与することにより発癌を極めて強く抑制されることが判明した。カルニチンは我々が常時摂取している特定の食物に多く含まれており、生体内でも合成される自然界に広く存在する物質である。本物質による副作用は確認されておらず、その投与は極めて安全で、分子論的にもその生体内効果は明らかである。今後、本物質の臨床応用に期待したい。
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Research Products
(4 results)