2004 Fiscal Year Annual Research Report
ReverseSAGEを用いた新規胃癌特異的遺伝子の同定とその機能解析
Project/Area Number |
15790183
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
大上 直秀 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (60346484)
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Keywords | SAGE / gene expression profile / REGIV / gastric cancer / invasion / metastasis / antibody / tumor marker |
Research Abstract |
胃癌特異的に発現している遺伝子を同定することを目的し、早期胃癌1例、進行胃癌3例、胃癌のリンパ節転移1例をSAGE法を用いて遺伝子発現を網羅的に解析した。SAGEライブラリー合計約1万クローンを解析し、約14万tagが得られた。これらのデータは公的な遺伝子発現データベースであるGEOに登録している(GSE545,SAGE Hiroshima gastric cancer tissue)。さらに、GEOに登録されている種々の全身正常組織のSAGEライブラリーとの比較により、われわれは胃癌にほぼ特異的に発現している遺伝子としてREGIVを同定し、報告した(Cancer Res,2004)。REGIVの特異性をさらに解析することを目的とし、リコンビナントREGIVを作成し、ウサギ抗REGIV抗体を作成した。本抗体はWestern blot法にて約17kDaの蛋白を認識し、REGIV蛋白を用いた吸収試験でバンドが消失したことから、REGIVを認識しているものと考えられた。パラフィン切片を材料とし、胃癌を含む様々な組織で免疫染色を行った結果、正常組織では、小腸、大腸の内分泌細胞の一部、膵臓のβ細胞にREGIVが発現していることが明らかとなった。さらに胃の腸上皮化生のゴブレット、内分泌細胞の一部にも染色された。143例の胃癌では42例、36例の大腸癌では13例、15例の大腸カルチノイドでは14例にREGIVの染色が認められたが、30例の肺癌、30例の乳癌、子宮頚部の小細胞癌、胆管の小細胞癌ではREGIVの発現はまったく認められなかった。以上の結果は、REGIVは胃癌に特異的に発現している分子ではないものの、腺癌、カルチノイドを含む消化管癌に特異的に発現していることを示すものである。本REGIV抗体は消化管癌の鑑別診断に有用である可能性が示唆された。
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Research Products
(6 results)