2004 Fiscal Year Annual Research Report
フラジリス菌における複合糖鎖分解遺伝子の病原性発現における役割
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15790223
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
中山 治之 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助手 (80294669)
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Keywords | Bacteroids fragilis / ノイラミニダーゼ / 複合糖鎖分解酵素 / シアロ複合糖鎖 / 膿瘍形成 / クラスター / 糖利用 / 病原性 |
Research Abstract |
本年度はB.fragilisの病原遺伝子として考えられているシアリダーゼ遺伝子(nanH3)を含むシアロ複合糖鎖分解酵素遺伝子群の機能解析を行い、以下の知見を得た。 1.シアロ複合糖鎖の取り込み・分解に関与すると考えられる27-kbの遺伝子領域(sguクラスター)は、9つの糖鎖分解酵素遺伝子(nanH3, nahA, estA, estS, bmnA, nahB, nahC, bgaA,およびbgaB)、3つの複合糖鎖結合外膜蛋白質遺伝子(BF1737,BF1739およびBF1740)、1つのkelch様蛋白質遺伝子(BF1735)から構成されていた。 2.sguクラスターの各遺伝子の発現をRT-PCRによって解析したところ、nanH3, nahA, estA, estS遺伝子の発現は、シアル酸やムチン・fetuinなどのシアロ複合糖鎖によって誘導されたが、グルコースやアシアロ複合糖鎖によって抑制された。また、bmnA, nahB, nahC, BF1737およびbgaA遺伝子は糖の種類に関係なく構成的に発現していた。BF1735, BF1739, BF1740およびbgaB遺伝子もまた構成的に発現していたが、グルコースの添加により発現が抑制された。 3.B.fragilisの病原性におけるnanH3、estAおよびestS遺伝子の役割を検討するためにマウス腹腔内膿瘍形成モデルを用いたところ、pNhAF1(nanH3, estA, estS)、pH3F-2(nanH3)あるいはpVNAND241(estS)を保有するB.uniformisはpVAL-1(control)を保有するB.uniformisと比較して膿瘍形成率が有意に高かった。また、pNhAF1あるいはpH3F-2を保有すB.uniformisは、pVAL-1を保有するB.uniformisより全膿瘍数においても有意に多かった。
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Research Products
(5 results)