2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15790227
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
金子 正裕 北里大学, 理学部, 助手 (30327449)
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Keywords | 結核菌 / 糖脂質 / TLR / LAM / 脂質ラフト |
Research Abstract |
Toll-like receptor (TLR)は病原体のさまざまな成分をパターン認識することにより、自然免疫に重要な役割を果たしている。マクロファージに発現したTLRを介してシグナルが伝達されることにより、種々のサイトカインやケモカイン産生が誘導される。結核菌を含むミコバクテリアの細胞壁にはミコール酸含有糖脂質のtrehalose dimycolate(TDM)、trehalose monomycolate(TMM)等に加えて、phosphatidylinositolにmannoseが結合したphosphatidylinositol mannoside(PIM)、さらにmannoseとarabinoseが結合したlipoarabinomannan(LAM)など種々の糖脂質が存在する。これら糖脂質はマクロファージ活性化能を有し、結核病態形成に重要な菌体成分である。本研究では、各TLRのトランスフェクタントやTLR2欠損およびTLR4欠損マウスの骨髄由来マクロファージ(BM-Mφ)を用い、結核菌の各種糖脂質について、NF-κB依存的ルシフェラーゼアッセイや培養上清中のTNF-αおよびIL-6産生の検討を行った。その結果、TDM,TMM,PIMおよびLAMはTLR2を介してシグナル伝達することが明らかとなった。また、TLR2欠損マウスBM-Mφに刺激を与える糖脂質もあった。さらに、LAM刺激時に脂質ラフトが集積するか、TLR2がラフトに集積するか共焦点レーザー顕微鏡を用いて検討したところ、細胞膜上にラフトマーカーであるGM1の集合が観察され、ラフト部分にTLR2の集合も認められた。以上の結果から、LAMはTLR2によって認識され、ラフトにTLR2が集積することによりシグナルを細胞内へ伝達することが示唆された。これらの結果について、さらに詳細に検討中である。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Kaneko M, Mizunuma T, Takimoto H, Kumazawa Y.: "Development of TCRαβ CD8αα intestinal intraepithelial lymphocyts is promoted by IL-15-producing epithelial cells constitutively stimulated by Gram-negative bacteria via TLR4."Biol Pharm Bull. 27(6)(印刷中). (2004)