2003 Fiscal Year Annual Research Report
分子発現制御免疫寛容誘導型樹状細胞を用いた自己免疫性肝炎の細胞免疫療法の開発
Project/Area Number |
15790365
|
Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
長田 正久 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (00349565)
|
Keywords | AIH / 樹状細胞 / 寛容誘導 |
Research Abstract |
§分子発現制御によるin vitroにおける免疫寛容誘導型DCの作製 1、寛容誘導型DCの免疫寛容誘導能を評価するアッセイ系 既に樹立したマウス肝細胞膜成分特異的クローン化T細胞を用いた。このT細胞は肝細胞膜分画より抽出精製したS-100蛋白をパルスした骨随由来未熟DCをIL-4、GM-CSF存在下で培養し成熟させ、IL-2存在下でT細胞と混合培養して得た。 ¶抗原特異的免疫寛容誘導能の評価とその機序の解析 S-100蛋,白パルス骨髄由来DCとクローン化T細胞の混合培養後にT細胞のS-100蛋白反応性を測定したところ反応性がみられたが他の抗原に対する反応性は認められず、処置を施したDCは抗原特異的免疫反応誘導能を有していた。またDCの機能分子(CD80、86)発現をFACSにより解析したところ、いずれの分子も高発現していた。 ¶抗原非特異的免疫寛容誘導能の評価 処置DCとナイーブT細胞の混合培養時の他抗原に対する反応性を測定したところ、非特異的免疫反応誘導能はないことが示された。 2、分子発現制御による寛容誘導型DC作製の試み 下記の処理を施したDCの抗原特異的、非特異的寛容誘導能を評価した。 ¶抑制性サイトカイン添加 IL-10、IL-4、TGF-βを添加処理したがDCによる抗原特異的、非特異的寛容誘導は起こらず、寛容誘導型DCの作製は出来なかった。またこれらのサイトカインを添加した際のDCにおける機能分子の発現の程度は変化を認めなかった。以上より抑制性サイトカインのみでは寛容誘導型DCを作製することは困難で、機能分子を直接的に発現させる試みが必要と考えられた。そこで現在、抑制性補助分子の遺伝子導入により寛容誘導型DCが作製できないか検討中である。
|