2003 Fiscal Year Annual Research Report
ITを用いた慢性腹膜透析療法における至適処方提案および腹膜機能解析に関する研究
Project/Area Number |
15790431
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
濱田 浩幸 九州大学, 大学院・農学研究院, 助手 (80346840)
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Keywords | 腹膜透析療法 / 至適処方 / 腹膜機能解析 |
Research Abstract |
腹膜透析療法における腹膜の微視的な数理モデルとその数値解法などを構築した。 1.微視的慢性腹膜透析療法の薬物動力学モデルの設計 Pyle-Popovich's ModelとThree Pore Theoryは、それぞれ、拡散輸送量、対流輸送量を高精度に解析する特徴を有する。これら2つのモデルの長所を併用し、物質移動機序を微視的に規定する腹膜機能パラメータを用いて、溶質ごとに腹膜透過性を詳述できる新しい薬物動力学モデルを構築した。 2.腹膜機能パラメータの高精度推定法の検討 モデルに含まれる患者ごとに異なる未知の腹膜機能パラメータは、電解質、晶質、膠質の溶質透過性、腹膜の細胞膜に介在するアクアポリン経由の透水性、腹膜の細胞間隙経由の透水性、リンパ吸収流量など約20種類である。これらパラメータの感度解析を実施し、パラメータの最適値範囲を決定した。この見解をもとに、パラメータ推定法として、遺伝的アルゴリズムと勾配法の併用法を採用し数値解法を構築した。 3.栄養評価パラメータの推定と至適処方提案機能の構築 着目溶質の出納を解析できる薬物動力学モデルは、尿毒素の生成速度、タンパク質損失量、糖カロリー負荷量、タンパク質異化率、除脂肪体重などを推定できる。NKF DOQI guide lineの栄養指標参考値を引用し、栄養評価に関する至適処方提案機能を検討している。 4.検査プロトコルの設計 腹膜機能パラメータの推定精度と患者のQuality of Lifeを低下させることなく、未知の腹膜機能パラメータの推定に不可欠な臨床データを収集可能な検査プロトコルを設計した。検査は、低糖濃度および中糖濃度腹膜透析液を使用し、定性的評価法および現処方の定量的評価法が可能な普遍的かつ柔軟な検査プロトコルである。
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Research Products
(1 results)