2003 Fiscal Year Annual Research Report
凝固XIII因子A、Bサブユニットノックアウトマウスの遺伝子治療による病態と機能の解析
Project/Area Number |
15790486
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
惣宇利 正善 山形大学, 医学部, 講師 (20292419)
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Keywords | 凝固XIII因子 / 遺伝子標的 / XIII因子欠損症 / 創傷治癒異常 / 先天性出血傾向 |
Research Abstract |
ノックアウト動物の外観、皮下や各種の内臓結合織の組織学的所見、その生化学的組成などの解析を行なったところ、野生型との明確な相違は認められなかった。 特に、LPSなど炎症惹起物質投与による各種臓器の結合織の病理学的変化を観察したが、大きな違いは認められなかった。 8週齢のXIIIA KOマウスのホモ接合体、ヘテロ接合体、野生型マウスの各2匹の背部を剃毛し、メスで真皮層まで1x1cmの範囲で切除した。創は開放のままSuper Pathogen Free (SPF)室で飼育を継続して施術7日後に比較したところ、ヘテロ接合体、野生型マウスの背部の傷痕は全体が乾燥した褐色の痂皮に覆われていた。一方、ホモ接合体マウスの傷痕は潰瘍化して深く、その表面は湿潤で赤燈色、不規則、軟弱であった。 ヘテロ接合体、野生型マウスの背部の傷痕の組織学的な所見は、好中球を主体とする炎症性細胞の集積がみられるものの肉芽組織と瘢痕組織が切除部の一部を充たしていた。創との境界部の再生表皮は、真皮との連続性を保ちつつ伸長していた。一方、ホモ接合体マウスの傷痕の断面には、高度の肉芽組織の集積がみられ、瘢痕組織の発達は極めて低調であった。潰瘍性病変は皮下組織を超えて一部筋層まで到達し、水平方向にも拡大していたので、伸長の悪い境界部の表皮の下層に真皮の欠損部が存在する。 遺伝子治療の開発の準備として、XIII因子のcDNAをアデノ随伴ウイルスベクターに挿入し、遺伝子導入ベクターを作製した。
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Research Products
(1 results)