2003 Fiscal Year Annual Research Report
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15790509
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
牧野 雄一 東京大学, 医科学研究所, 教務職員 (90345033)
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Keywords | 低酸素 / 転写因子 / T細胞 / T細胞受容体 / 活性化細胞死 / アポトーシス / マイクロアレイ / HIF-1α |
Research Abstract |
生体内外の環境の酸素濃度には大きなグラジエントが存在する。リンパ球などの免疫担当細胞は、生体内を広く移動し、極端な酸素環境の変動に曝されうる代表的組織といえる。さらに、免疫担当細胞が機能する場である炎症組織・腫瘍組織などにおいては、組織内酸素分圧が著しく低下しており、リンパ球などの細胞にとって、環境酸素濃度のダイナミックな変化に適応することは、細胞・組織の機能を維持するうえできわめて重要であるといえるが、そのメカニズムについてはほとんど明らかにされていない。低酸素によって活性化される転写因子Hypoxia-inducible factor-1α(HIF-1α)は、細胞の低酸素環境への適応に重要な多くの遺伝子の発現を転写レベルで制御している。本研究は、低酸素がリンパ球の機能・形質にあたえる影響とその分子機構を取らかにすると共に、リンパ球機能制御、免疫応答制御におけるHIF-1αおよび低酸素シグナルの役割を明確にし、低酸素シグナル伝達システムを標的とする新たな免疫制御法開発の基盤を確立することを目的とするものである。平成15年度研究実施計画に沿って以下の様に研究が展開された。 低酸素がリンパ球機能に与える影響の解明。健常人の末梢血より比重遠心法で分離した単核細胞をPHAで幼若化したのちIL-2存在下で培養し、固相化抗CD3抗体で刺激し、活性化細胞死(AICD)を誘導する系を構築した。低酸素がかかる細胞死に与える影響を解析した。低酸素下ではAICDは有意に抑制され、T細胞の生存率は上昇した。 リンパ球におけるHIF-1α発現の解析。上記のごとくAICDが抑制される培養条件下でのリンパ球におけるHIF-1αの発現を解析した。低酸素環境下で、かつCD3刺激が共存する場合のみHIF-1αの発現が誘導された。 リンパ球におけるHIF-1α発現の意義の究明。リンパ球においてHIF-1αはアドレノメジュリン遺伝子を誘導しAICDの制御に関与することが示唆された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Yuichi Makino, Hiroshi Nakamura, Eiji Ikeda, Kei Ohnuma, Kenji Yamauchi, Yuataka Yabe, Lorenz Poellinger, Yasunori Okada, Chikao Morimoto, Hirotoshi Tanaka: "Hypoxia-inducble factor regulates survival of antigen receptor-driven T cells."J.Immunol. 171. 6534-6540 (2003)
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[Publications] Makiko Matsumoto, Yuichi Makino, Tetsuhiro Tanaka, Hirotoshi Tanaka, Nobuhiro Ishizaka, Eisei Noiri, Toshiro Fujita, Masaomi Nangaku: "Induction of Renoprotective gene expression by cobalt ameliorates ischemic injury of the kidney in rats."J.Am.Soc.Nephrol. 14. 1825-1832 (2003)
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[Publications] Tsunenori Kodama, Noriaki Shimizu, Noritada Yoshikawa, Yuichi Makino, Rika Ouchida, Kensaku Okamoto, Testuya Hisada, Hiroshi Nakamura, Chikao Morimoto, Hirotoshi Tanaka.: "Role of the glucocorticoid receptor for regulation of hypoxia-dependent geen expression."J.Biol.Chem.. 278. 33384-33391 (2003)