2004 Fiscal Year Annual Research Report
リスペリドンの反応性・安全性予測に関する薬理遺伝学的研究
Project/Area Number |
15790640
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
山之内 芳雄 藤田保健衛生大学, 医学部, 助手 (70340263)
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Keywords | セロトニン3a受容体遺伝子 / セロトニン4受容体遺伝子 / リスペリドン / 遺伝子多型 / 薬理遺伝学 / 統合失調症 / 不安・抑うつ症状 |
Research Abstract |
基盤となる事項として、対象となる統合失調症患者への本研究に対する説明と同意を文書にて全例に対して行いrisperidone投与プロトコールに従い、背景情報・症候学的データ(効果・副作用)を収集した。症例は全102例となった。全例より末梢血採血を行い大学内P2設備内にて、EBウイルス感染により、サンプルよりリンパ球株化を行った。株化したリンパ球よりDNAを抽出・精製し多型同定に使用した。また対象の臨床情報および症候学的データを、サーバー上データベースに集約し、データセットのシステムを構築した。これら情報と遺伝情報は匿名化し、管理者を置き、漏洩のないよう対策を講じている。 候補遺伝子上の多型同定として、本年度は収集した102例を対象にセロトニン3a,4受容体遺伝子多型をRFLP法および/またはDHPLC法にて全対象の遺伝子型の同定した。対象ごとの遺伝子多型と臨床情報との関連の検討を重回帰分析にて行った。結果、セロトニン4受容体遺伝子の508T>C SNPがT/Tホモである対象は、C/Cホモである対象に比べ、約70%の投薬による不安・抑うつ症状の軽減効果を予測しうるものであると高い検出力にて結論した。この知見は学会発表(XIIth World congress of psychiatry genetics, 2004 Dublin, Ireland)し、日本生物学的精神医学会の海外発表奨励賞を得た。本知見に関しては、現在さらに対象を増やした上で投稿準備中である。
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