2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15790697
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
友安 信 岩手医科大学, 医学部, 助手 (50347861)
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Keywords | 胸管リンパ流量 / endothelin-1 / 運動負荷 / 慢性羊モデル / ultrasound transit-time flow meter |
Research Abstract |
雑種羊にケタミン、硫酸アトロピン筋注後に、サイアミラールナトリウム静注による麻酔導入し、経口気管内挿管。ハロセン及び笑気(麻酔覚醒を遷延させぬように筋弛緩剤は使用せず)による麻酔維持下に、左側臥位で右第7肋間開胸をおき、壁側胸膜を切開してcaudal mediastinal lymph nodeの頭側で胸管を確保し、胸管リンパ流量測定用のultrasound transit-time flow meter probeを装着。第4肋間開胸をおいて心膜を切開して上行大動脈基部に心拍出量測定用のultrasound transit-time flow meter probeを装着。また、internal thoracic arteryからcanulationして血圧測定用の無線型pressure transducerを装着。胸腔drainを挿入後に閉胸し麻酔覚醒させ、麻酔覚醒後に胸腔drainを抜去し、2週間の術後回復期間をおいて、長期飼育可能な実験用慢性羊モデルを作成した。実験時は、外頚静脈から肺動脈圧と中心静脈圧測定用のSwan-Ganz catheterを挿入して、胸管リンパ流量・血圧・心拍出量・中心静脈圧・肺動脈圧を経時的に測定できる実験システムを構築した。このシステムにより解剖学的に脈管の連続性を損なうことなく、より実際の体内環境に近い生理的な、そして連続的に記録できる、再現性のある繰り返し実験が可能となるのみならず、前述のパラメータだけではなく、肺血管抵抗や体血管抵抗も計算式から導きだせることになった。この実験環境を使用して、現在endothelin-1の投与量を変化させながら投与して胸管リンパ流量の変化のデータを蓄積し解析中である。また羊に定量的な運動負荷を与えて、その運動前・中・後の胸管リンパ流量の推移を他のパラメータとの関連性と合わせてデータを蓄積・解析中である。機器購入・設置、システムの構築に時間を要し実験計画に遅れが生じ、学会発表や投稿にまでは至っていないものの、平成16年度には可能となる予定である。
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