2003 Fiscal Year Annual Research Report
消化器外科領域の感染症における白血球活性酸素放出能の検討と感染対策の実践
Project/Area Number |
15790729
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
藤澤 稔 順天堂大学, 医学部, 助手 (90260893)
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Keywords | 全血化学発光 / 白血球活性酸素放出能 / 術後早期感染症 |
Research Abstract |
担癌患者、肝硬変、糖尿病等の患者、さらに開腹手術患者の術前、術後の血液を採取後全血化学発光を測定し、その推移が手術侵襲や術後感染症の発症の有無に影響を与えるか否かを検討している。全症例に対して炎症性サイトカインであるTNF-α、LPSの全血化学発光に及ぼすPriming効果も比較検討している。これらの患者に術前後を通じて化学発光を測定した場合、その推移と術後感染の有無に関連を認めれば、この研究が感染の早期発見とその治療・予後に有用であるといえる。実践となる臨床の場で、全血発光測定群とコントロール群を比較すると、前者で術後感染症の早期発見が高率に可能になると考えられる。したがって、感染発症阻止薬から感染治療薬への変更がスムーズに行われ、治療費の減少につながると予想される。現有設備として、当院細菌学教室に設置してある超高感度撮影カメラ(ARGUS 50:浜松ホトニクス社)と教室内機材、試薬で測定可能であり、ヘパリン加採血した全血100μlを試料とし、その中にMEM20μlとルミノール20μlを添加、37℃で10分間保温後刺激物を加えて60分間の化学発光を測定している。刺激物質としてザイモザンA20μlを使用している。その他炎症性サイトカインとして、TNF-α10U、LPS1μgと全血を10分間Incubationしたのちに、ザイモザンAで刺激した場合の全血化学発光に対するpriming効果についても検討している。化学発光の評価は、(1)60分間の化学発光の積算値、(2)peakに達したときのpeak値をもって化学発光の強さとする。また、(3)血清オプソニン活性の指標となるpeakに達するまでの時間も測定している。手術患者は、術前、術直後、第1、3、7病日に血液を採取し、その化学発光の変動と推移を検討評価するが、現在消化器外科手術例のデータ収集行い、データベースを作成している段階である。
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