2003 Fiscal Year Annual Research Report
血清抗p53抗体値の前立腺癌診断検査法および予後因子としての有用性に関する検討
Project/Area Number |
15790846
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
山本 巧 群馬大学, 医学部, 助手 (00344929)
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Keywords | 前立腺癌 / 抗p53抗体 / 前立腺針生検 |
Research Abstract |
測定対象をA群:群馬大学泌尿器科にてPSA・直腸診・経直腸的前立腺エコーのいずれかにて癌を疑い、前立腺多数ヶ所生検施行前に抗p53抗体値測定を行った119例、B群:他医にて生検にて前立腺癌と診断されて当科に紹介され、当科にて臨床病期を決定し、治療開始前に抗p53抗体値測定を行った24例とし、癌症例および非癌症例の間で抗p53抗体値に差があるのかを検討した。また、癌症例においては臨床病理組織学的に分類して抗p53抗体値を比較し、それらの関連について検討した。測定はMBL社のELISAキット(測定下限値0.10U/ml)を使用した。 B群のうち、1例は抗体値0.22U/mlと異常値であったが、他の23例は0.10U/mlと測定下限値であったため、今回はA群の119例に症例を絞って検討を進めた。119例中、癌は57例に発見された。癌症例の抗p53抗体の平均値は、0.41±1.17U/ml、非癌症例では0.91±4.79U/mlとなり、非癌症例の方が高くなった。また、PSA4.1〜10.0ng/mlの範囲の症例(癌症例22例、非癌症例38例)において、ROC curveを作成し、抗p53抗体値、PSA F/T ratio、PSA densityの癌診断における有用性を検討したところ、抗p53抗体値が最も有用性が低く、PSA densityが最も有用性が高かった。癌症例57例を病理学的に分類し抗p53抗体平均値を比較すると、高分化型>中分化型>低分化型となり、primary Gleason gradeでは3>4>5となり、Gleason sumでは、7>6>8>9となり、悪性度が高いほど抗p53抗体値が低い傾向を認めた。TNM分類別では、TxN1Mx/TxNxM1>T3N0M0>T1cN0M0>T4N0M0>T2N0M0の順となり、癌の進行度との間に関連性を認めなかった。
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