2004 Fiscal Year Annual Research Report
血清抗p53抗体値の前立腺癌診断検査法および予後因子としての有用性に関する検討
Project/Area Number |
15790846
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
山本 巧 群馬大学, 医学部, 助手 (00344929)
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Keywords | 前立腺癌 / 抗p53抗体 / 前立腺針生検 |
Research Abstract |
前立腺癌診断におけるPSAの有用性は高いが、疑陽性例が存在することが問題である。PSAが軽度高値の症例においてPSAとは全く別機序で発現する腫瘍マーカーを組み合わせることができるならば、不要な前立腺針生検を減らすことができる。そこで今回、PSAが軽度高値の症例における、血清抗p53抗体値測定の意義について検討を行った。対象は群馬大学附属病院泌尿器科にてPSA・直腸診・経直腸的前立腺エコーのいずれかにて癌を疑い、前立腺多数カ所生検を施行したPSA20ng/ml以下の症例92例。生検施行前に血清を採取し、MBL社のELISAキットを用いて抗p53抗体値測定を行った。92例中、37例(40.2%)で前立腺癌が発見された。癌症例および非癌症例における各パラメーターを比較したところ、PSA、遊離型PSA/総PSA比、PSA densityは有意差が認められたが、抗p53抗体値では有意差を認めなかった。また、ROC curveを作成し、抗p53抗体値、遊離型PSA/総PSA比、PSA density等のPSA関連マーカーとの癌診断効率を検討したところ、抗p53抗体値が最もROC曲線の面積が狭くなり、診断効率が悪いことが分かった。病理学的所見別の抗p53抗体値は、高分化>低分化>中分化となり、primary Gleason gradeでは3>4>5、Gleason sumでは6>7>9>8となり、各群において有意差は認められなかったが、抗p53抗体値は癌の組織学的悪性度が低いほど高い傾向にあった。TNM分類別では、37例すべてが非転移癌症例であり、抗p53抗体値はT1cN0M0>T3N0M0>T2N0M0の順となり、臨床病期との間に関連性を認めなかった。今回の検討では、PSA20ng/ml以下の症例においては前立腺癌診断における抗p53抗体値測定の意義は低いと考えられた。
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