2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15790925
|
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
堤 剛 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 講師 (90302851)
|
Keywords | 神経積分器 / 重力加速度認知 / 赤外線ビデオ眼振計 / 前庭動眼反射 / 急速眼球運動 |
Research Abstract |
後頸部振動刺激による重心の偏倚の方向は、視運動刺激によって視線方向からずらすことができることが判明し、神経積分器の機構の関与が推定された。重心偏倚のずれは水平方向への視運動刺激下では刺激と逆方向であった。これは回旋性の視運動刺激負荷時とは逆であり、水平性視運動刺激が擬似水平移動と解釈されるためと考えた。Vectionの存在も想定したが、実験中vectionの誘発はなく、また視運動眼振のゲインの変化と重心偏倚方向の変化との間には関連性は認められなかった。重力加速度の認知方向との関連性も検討したが、眼球のtorsionの方向と重心偏倚方向の変化との間にも統計学的に有意な相関は認めなかった。 赤外線ビデオ眼振計(VOG)を用いたHead Thrust Test (HTT)の可能性については、実際の症例の計測データから前庭動眼反射のゲインを算出した。yaw planeでのHTTは外側半規管機能を反映すると考えられたが、カロリックテストとの間に開離を認めた。機能低下の代償機転に両者の間で差があるのではないかと考えられた。 VOGの能力の限界を調べる予備実験として、急速眼球運動の分解能を検討した。比較対象として電気眼振計(ENG)の電位データをA/Dコンバータを介してサンプリング頻度最大1,000Hz(サンプリング時間1ms)から段階的に20段階に変化させたものを用いた。その結果、急速眼球運動速度の計測値はサンプリング時間に依存し、VOGでのデータはENGのサンプリング時間16ms時と一致すること、速度は遅く計測されるがVOGは再現性に優れていることなどが判明した。
|
Research Products
(1 results)