2004 Fiscal Year Annual Research Report
Aeromonas属細菌感染症における重症化機序の解明
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15791032
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
松岡 博史 宮崎大学, 医学部, 助手 (30315379)
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Keywords | Aeromonas属細菌 / 壊死性筋膜炎 / ヒアルロニダーゼ |
Research Abstract |
平成15年度に引き続き、ヒアルロニダーゼ(HAase)の分離・精製を行った。 スクリーニング(Smith and Willettの方法)の結果、20株中3株がHAase陽性であった。陽性の3株はいずれも死亡例から分離されたものであった。この中の1株(KYO23株)の培養上清中に多量のHAaseが存在することが明らかになったため、本菌株からのHAase精製を試みた。 培養上清の60%硫安沈殿画分を出発材料とし、Phenyl Sepharose HPカラムを用いた疎水クロマトグラフィーおよびMonoQカラムを用いた陰イオン交換クロマトグラフィーによって分離精製を行った。MonoQ活性画分のSDS-PAGE解析では、60kDaのメジャーバンドと複数の微量タンパクが存在し、ザイモグラフィによる解析では、60kDaのメジャーバンドに一致してHAaseの活性が認められた。このメジャーバンドをPVDF膜にブロッティングし、N末端配列の解析を行った結果、LTTEYKILADの配列を得た。 このメジャーバンドの内部アミノ酸配列を得るためにprotenaseKを用いて限定分解したが、うまく分解できなかった。細菌より分泌される蛋白であり、ある種の蛋白分解酵素に抵抗性を有すると考えられた。そこで、臭化シアンを用いて分解を試みた。臭化シアンによりメジャーバンドはさらに4つのバンドに分かれることが確認された。これをPVDF膜にブロッティングし、内部配列のN末端解析を行ったが、充分な配列は得られなかった。その原因として不純物の混入が考えられたため、シアン分解した資料をさらに逆相クロマトグラフィーにより分離し、それぞれにN末端解析を行うこととし現在検索中である。
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