2003 Fiscal Year Annual Research Report
義歯性カンジダ症in vitroモデルによるラッカー型ミコナゾールの開発
Project/Area Number |
15791152
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Research Institution | Matsumoto Dental University |
Principal Investigator |
吉田 敬子 松本歯科大学, 歯学部, 助手 (70350840)
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Keywords | ミコナゾール / 義歯性口内炎 / コラーゲン / C, albicance |
Research Abstract |
抗真菌薬ミコナゾール(MCZ)にコラーゲンパウダーを配合し、有効濃度のミコナゾールを長期的に義歯粘膜に維持する義歯性口内炎治療薬の開発を目的とする基礎的研究を行った。 1,菌剤感受性試験法によるMCZ、薬剤最小有効濃度(MIC)の測定 日本医真菌学会標準化委員会が提案する、NCCLS提案法を一部修正して行った結果、C, albicance JCM1542に対するMCZのMICは0.01μg/mlであった。MCZを義歯に保持するための基材として用いた、コラーゲンパウダーがC, albicanceの致死活性に及ぼす影響を調べた。その結果、メルシーコラーゲンが真菌の致死活性に影響を及ぼさないことが確認された。 2,コラーゲンを用いたMCZ塗布剤の抗菌性試験 (1)コラーゲンを用いたMCZ塗布剤の作製 メルシーコラーゲン0.5gを滅菌生理食塩水に溶かした溶液1mlにMCZ 1 μ1(各々DMSOにて0.01,0.1,1μg/mlに希釈したもの)を加え作製した。 (2)レジンプレートの作製 加熱重合型アクリルレジンを用いて直径10mm、厚さ1mmに作製した。なお残留モノマーによる細胞毒性の影響を排除するために、1週間蒸留水中に浸漬した後、実験に供した。 (3)抗菌性試験 レジンプレートの表面にコラーゲンを用いたMCZ塗布剤を塗布後、37℃に保った滅菌生理食塩水中に20stroke/minで30分振盪させながら浸漬した。滅菌生理食塩水中から取り出したレジンプレート上にCandida菌液を滴下し、培養した。培養後、生残菌を洗い出し、この洗い出し液を平板培養法により培養した後コロニー数を計測した結果、MCZ 1μg/ml含有塗布剤ではコロニーの形成は認められなかった。またMCZ 0.01,0.1μg/ml含有塗布剤でも75%のコロニー数の減少が認められた。 本研究により、コラーゲンパウダーを用いてレジンプレートにMCZを塗布し、レジンプレート上のC.albicansの生長を抑制することができた。
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