2003 Fiscal Year Annual Research Report
矯正装置装着後の血中金属イオン濃度と溶出金属イオンの関連性
Project/Area Number |
15791223
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
飯嶋 雅弘 北海道医療大学, 歯学部, 講師 (20305915)
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Keywords | 金属イオン / 耐食性 / 溶出試験 / ガルバニック腐食 / 矯正装置 |
Research Abstract |
矯正臨床において考えられる異種金属接触腐食を溶出試験とガルバニック電流を計測することから調べた。ブラケット用金属としてはステンレス鋼とTi、ワイヤー用金属としてはNiTi合金、β-Ti合金、CoCr合金およびステンレス鋼を使用した。溶出試験では、TiとNiTi合金を組み合わせた場合、Tiがカソードとして作用し、単独浸漬と比較してNiイオンの溶出量が増加した。TiとCoCr合金を組合せた場合、Tiがアノードとして作用し、単独浸漬と比較してCoイオンとNiイオンの溶出量が減少した。ガルバニック電流の測定においては、全ての組み合わせで時間の経過に伴うガルバニック電流の低下が認められ、24間経過後ガルバニック電流がほぼ一定になった。TiとNiTi合金を組み合わせた場合、24時間以降においても0.05μAを超えるガルバニック電流が計測された。この結果は、溶出イオンの計測においてTiがカソードとして作用しNiイオンの溶出が加速されたことを反映している。ステンレス鋼とNiTi合金を組み合わせた場合も、24時間以降0.05μAを超えるガルバニック電流が計測された。また、ガルバニック電流の計測においては、臨床的なブラケットとワイヤーの面積比についてコンピューター・データー分析システムを用いて計算し、実験に採用した。1:1、1:2.35および1:3.64の3種類の面積比を用いて実験を行った結果、ブラケットとワイヤーの面積比のガルバニック電流に及ぼす影響は小さかった。
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