2018 Fiscal Year Annual Research Report
Measurement and Analysis of Price Index and Consumption Behavior Based on Point of Sale Data
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15H01945
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
阿部 修人 一橋大学, 経済研究所, 教授 (30323893)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | インフレ期待 / 計測誤差 / 合理性 |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度は、インフレ期待に関する独自パネル調査を行い、これまで行ってきた調査とマージすると共に、インフレ期待に関する分析を進めた。具体的には、インフレ期待調査結果に含まれる誤差がどの程度含まれているかの計測を試みた。将来のインフレ率に関する予測を一般人に対して行う場合、職業エコノミストや学者に対する調査にくらべて、誤差が大きくなると言われている。実際、調査結果には、一年後のインフレ率が100%を超える、あるいは-50%を下回るなどの、極端な回答が多く含まれている。また、5%や10%といったキリのよい数値に回答が集中する傾向がある。本研究で行った独自調査では、将来のインフレ率に関して、何パーセントになるのか、数値の点推定に加え、その確率分布も同時に質問した。もしも人々が正しく回答しているならば、これら二つの情報は矛盾しないはずである。分析の結果、矛盾しない回答を行っているものは全体の50%であり、点推定の回答は、分布の回答にくらべて平均値が高く、また分散も大きかった。観察されたインフレ期待の分散に占める誤差の割合は、点推定の場合は60%を超えているが、分布の場合は30%程度であった。また、将来インフレ予測に関して有用と思われる情報を付与すると、二つの回答の整合性は上昇した。これらの分析結果は、インフレ期待の回答には多くの誤差が含まれているものの、分布と点推定の両方を質問することにより、正しく回答をしている人を識別し、回答に含まれる誤差の影響を軽減させることが可能であることを示している。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)