2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a Wide-Wavelength-Coverage Integral Field Spectrograph Unit to Probe Galaxy Evolution
Project/Area Number |
15H02062
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
本原 顕太郎 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 准教授 (90343102)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾崎 忍夫 国立天文台, TMT推進室, 特任研究員 (60532710)
児玉 忠恭 東北大学, 理学研究科, 教授 (80343101)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 面分光 / イメージスライサ / 近赤外線分光 / 超精密加工 / 銀河進化 / 銀河形成 / TAO望遠鏡 / すばる望遠鏡 |
Outline of Annual Research Achievements |
・SWIMSのすばる望遠鏡でのファーストライト観測:当年度5月末にすばる望遠鏡に取り付け、ファーストライト観測に成功した。一部フィルタホイールに不具合があったものの、ほぼ設計通りの結像性能及び効率を持っていることを確認することができた。年度半ばに各種不具合の修理などを行い、1月末に2度目の試験観測を行った。これによりSWIMSのすべての撮像機能が正常に動作することを確認できた。また、スリットマスクを用いた多天体分光にも成功し、分光機能についても問題ないことを確認した。 ・面分光ユニットの開発:年度初頭より、理化学研究所に新規導入された新型の超精密加工機による試験加工を行い、面粗さが10nm以下での球面加工が実現できることを実証した。これを受けて12月に理化学研究所の超精密加工機を用い通常のアルミ材を加工して、5mm各程度のミラー面を26面持つスリットミラーアレイの試作を行った。これにより洗い出された加工手順を修正後、2月に特殊アルミRSA6061を加工して、本番用のスリットミラーアレイの製作を行った。完成したスリットミラーアレイの形状評価を行ったところ、ミラー面粗さ10nm未満、面形状はP-Vで300nm未満、各ミラー面の相対位置誤差5um以下、というほぼ要求仕様を持つミラーアレイとなっていることが確認できた。これにより、超精密加工によって面分光ユニットのミラーアレイが製造できることを実証することができた。これと並行して、面分光ユニットの光学系を保持する構造体の検討を行い、その設計を完了した。 ・成果発表:これまでの開発で得られた成果は、2018年6月に米国で開催されたSPIEで発表し、論文として公表した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初は平静29年度に予定していたすばる望遠鏡での試験観測開始が、ハワイ観測所の予算削減に伴う人員不足の影響により受け入れ態勢が十分に整わないこともあって、平成30年5月末にずれ込んだ。また、第一回目の試験観測でいくつかの不具合が明らかになったため、その修正を行い2回目の試験観測を行うこととなったため、SWIMS単体としての試験観測の完了は平成31年1月末となった ミラーアレイの加工に関しても、超精密加工を行っていた大学院生が学位取得後民間企業に就職したため、平成29年度に新たに入学した大学院生への引継ぎを行ったことにより遅れが生じた。 さらに、当初ミラーアレイ加工を行う予定としていた理化学研究所の超精密加工機は、試験加工の結果から非平面加工では十分な加工精度を実現できない(面粗さの要求仕様10nm rmsのところ、>30nm rmsとなってしまう)ことが平成29年初頭に明らかになった。これは当該超精密加工機の老朽化が原因であると考えられ、平成29年度末に導入される新型加工機の導入と立ち上げを待つ必要があったことから、ミラーアレイ加工開始が1年近く遅れることとなった。
|
Strategy for Future Research Activity |
すばる望遠鏡の次期大型観測装置である主焦点多天体分光器(PFS)開発が遅れたため、平成31年度にその立ち上げ作業が集中する事態となっている。また、平成31年度に当初予定されていなかったドームの大規模改修も行われることになった。そのため、SWIMSの受け入れ作業を行う人員が不足するとともに、望遠鏡の観測時間が確保できなくなり、平成31年度の試験観測は行えない状況である。 このため当初の予定をやむなく変更し、平成31年度は面分光ユニットの完成を目指す。すでに3つあるミラーアレイのうちスリットミラーアレイは完成しているので、残りのスライスミラーアレイ及び瞳ミラーあれいを超精密加工で製作する。また、設計を完了した構造体の製作を行い、これら完成したミラーと組み合わせ試験を行う。組み上げたユニットは理化学研究所の3次元測定器で測定し、要求精度で光学系が組み上げられているのかを確認し、その後実験室での光を入れた試験を行って面分光ユニットの完成とする。完成した面分光ユニットは平成32年度にハワイ観測所に持ち込み、SWIMSに組み込んでの試験を経て望遠鏡に取り付けて実際の観測を行う見込みである。
|
Research Products
(11 results)
-
[Journal Article] Ground-based Pa-alpha Narrow-band Imaging of Local Luminous Infrared Galaxies II: Bulge Structure And Star Formation Activity2019
Author(s)
Tateuchi, K., Motohara, K., Konishi, M., Takahashi, H., Kitagawa, Y., Kato, N., Todo, S., Komugi, S., Ohsawa, R., Doi, M., and Yoshii, Y.
-
Journal Title
Publications of the Astronomical Society of Japan
Volume: in press
Pages: in press
Peer Reviewed
-
[Journal Article] Design of an integral field unit for SWIMS and its milling process fabrication with an ultra-high precision machine tool2018
Author(s)
Kono, Y., Yamagata, Y., Morita, S., Motohara, K., Ozaki, S., Tsuzuki, T., Takahashi, H., Kitagawa, Y., Konishi, M., Kato, N. M., Terao, Y., Ohashi, H., and Kushibiki, K.
-
Journal Title
Proceedings of the SPIE
Volume: 10706
Pages: 107063F
DOI
-
[Journal Article] The University of Tokyo Atacama Observatory 6.5m telescope: project overview and current status2018
Author(s)
Doi, M., Miyata, T., Yoshii, Y., Kohno, K., Tanaka, M., Motohara, K., Minezaki, T., Kawara, K., Sako, S., Morokuma, T., Tamura, Y., Tanabe, T., Hatsukade, B., Takahashi, H., Konishi, M., Kamizuka, T., Kato, N., Aoki, T., Soyano, T., Tarusawa, K., et al.
-
Journal Title
Proceedings of the SPIE
Volume: 10700
Pages: 107000W
DOI
Int'l Joint Research
-
[Journal Article] Development status of the simultaneous two-color near-infrared multi-object spectrograph SWIMS for the TAO 6.5m telescope2018
Author(s)
Konishi, M., Motohara, K., Takahashi, H., Kato, N., Terao, Y., Ohashi, H., Kono, Y., Kushibiki, K., Kodama, T., Hayashi, M., Tanaka, I., Tadaki, K.-. ichi ., Toshikawa, J., Koyama, Y., Shimakawa, R., Suzuki, T., Tateuchi, K., Kitagawa, Y., Kobayakawa, Y., Todo, S.,et al.
-
Journal Title
Proceedings of the SPIE
Volume: 10702
Pages: 1070226
DOI
-
[Presentation] Design of an integral field unit for SWIMS and its milling process fabrication with an ultra-high precision machine tool2018
Author(s)
Kono, Y., Yamagata, Y., Morita, S.-. ya ., Motohara, K., Ozaki, S., Tsuzuki, T., Takahashi, H., Kitagawa, Y., Konishi, M., Kato, N. M., Terao, Y., Ohashi, H., and Kushibiki, K.
Organizer
Society of Photo-Optical Instrumentation Engineers (SPIE)
Int'l Joint Research
-
[Presentation] Development status of the simultaneous two-color near-infrared multi-object spectrograph SWIMS for the TAO 6.5m telescope2018
Author(s)
Konishi, M., Motohara, K., Takahashi, H., Kato, N., Terao, Y., Ohashi, H., Kono, Y., Kushibiki, et al.
Organizer
Society of Photo-Optical Instrumentation Engineers (SPIE)
Int'l Joint Research
-
[Presentation] The University of Tokyo Atacama Observatory 6.5m telescope: project overview and current status2018
Author(s)
Doi, M., Miyata, T., Yoshii, Y., Kohno, K., Tanaka, M., Motohara, K., Minezaki, T., Kawara, K., Sako, S., Morokuma, T., Tamura, Y., Tanabe, T., Hatsukade, B., Takahashi, H., Konishi, M., Kamizuka, T., Kato, N., Aoki, T., Soyano, T., Tarusawa, et al.
Organizer
Society of Photo-Optical Instrumentation Engineers (SPIE)
Int'l Joint Research
-
-
-
-