2015 Fiscal Year Annual Research Report
分極制御による可視光応答・高耐久性窒化物半導体人工光合成デバイス
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15H02238
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
杉山 正和 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (90323534)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 克司 国立研究開発法人理化学研究所, 光量子工学研究領域, 研究員 (80444016)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 光触媒 / GaN / 有機金属気相成長 / 分極 |
Outline of Annual Research Achievements |
成長技術の最も発達したGa極性面を利用して高効率の光電変換を目指す上で,分極の悪影響を低減する構造が必須となる.そこで,デバイスシミュレーションを用い,光電極の基本となる太陽電池特性に関して,Ga極性面上にも関わらず分極が有利に働く層構造を設計した.Ga極性面上のn-GaN/n-AlN/InGaN/n-GaN構造(膜厚は順に300 nm/3 nm/500 nm/10 nm)により,全In組成域で通常の太陽電池特性が得られていることが示された.次に,実際にデバイス構造を作成するための有機金属気相成長プロセスにおいて,上記機能発現の鍵を握るAlN層上下のヘテロ界面形成シーケンスを改良した.GaNからAlNにかけての成長条件遷移においては,成長中断中にGaN表面が雰囲気ガス(NH3+N2)によりエッチングされることが界面急峻性を損なう原因であることを突き止め,高NH3分圧中で迅速にGaNからAlNの成長条件に遷移するべくシーケンスを改良した.一方,AlN層の成長に関しては,ウエハ周囲から蒸発したGaの混入を防ぐために低温(800℃)成長が必須であることを見出した.さらに,その上にGaNを成長する際には,AlNからGaNへの成長条件変更中の成長中断においてAlNの表面がエッチングされて凹凸化することが判明したため,AlN成長後に高温(1100℃)でのGaN成長条件に遷移する前に,数nmの低温GaN層でAlN表面を保護することがきわめて有効であることを見出した. これらの成長シーケンス改良によるヘテロ界面の組成急峻化は,XRDによるサテライトピークの解析から明確に実証された.水の光電気化学分解反応における電流-電圧特性からは,成長シーケンスの改良により電流の立ち上がりが低電圧側にシフトすることが確認され,AlN層によるバンドエンジニアリングがより有効に機能していることが示された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
想定したデバイス構造の有効性がデバイスシミュレーションにより検証された.さらに,その構造を実装するための有機金属気相成長に取り組み,当初の目論見に比べてAlN層上下のヘテロ界面の組成急峻化がハードルの高い課題であることが判明したものの,結晶成長メカニズムの観点から組成急峻化を妨げる要因を解明し,成長シーケンスの改良を行うことで実際のデバイス特性の改善を実証できた.次年度以降に可視光応答する光電極の開発を進めるのに十分な基盤を構築することができた.
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Strategy for Future Research Activity |
可視光応答の鍵を握るInGaN光吸収層の結晶成長と,それを用いた光電極の特性検証に取り組む.転移密度が小さいGaN基板を用いて,InGaN光吸収層の品位向上を図る.
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Research Products
(4 results)