2016 Fiscal Year Annual Research Report
Establishment of a CMOS image sensor with photon countable sensitivity, linear response and high full well capacity
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15H02245
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
須川 成利 東北大学, 工学研究科, 教授 (70321974)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒田 理人 東北大学, 工学研究科, 准教授 (40581294)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 電子デバイス・機器 / センシングデバイス / 撮像素子 / フォトンカウンティング |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に設計および試作を行い、フローティングディフュージョン容量の低減によるコンバージョンゲインの向上と列毎に高・低ゲインアンプを適用することによる信号読出しノイズの低減の効果を確認した、0.46個の入力換算ノイズ電子数と7万6千個の飽和電子数を線形応答で両立した画素毎に横型オーバーフロー蓄積容量を有するCMOSイメージセンサについて、信号読出し回路各部で発生するノイズを計測し、残存するノイズの内訳を抽出した。その結果、画素ソースフォロワで発生する1/fノイズ及びランダムテレグラフノイズと列並列ゲインアンプで発生する低周波ノイズが残存するノイズの主要因であることを明らかにした。これらのノイズについてさらなる低減を目指して画素及び列回路に改善を施したCMOSイメージセンサを最小加工寸法0.18μm、1層ポリシリコン、5層メタル、完全空乏型埋込フォトダイオードを有するイメージセンサプロセスを用いて設計・試作しその特性を測定した。列並列の高・低ゲインアンプにおいては、高ゲインアンプ側のゲインを可変とする構成を導入し、全年度の16倍から64倍にすることでゲインアンプ以降のノイズが半減することを確認した。また、画素ソースフォロワで発生する低周波ノイズについては、多重サンプリングを適用した効果を検証し、平均化効果によって実効的にノイズを低減できることを確認した。 また、設計したCMOSイメージセンサの画素内完全空乏型埋込フォトダイオードに薄くて急峻な濃度勾配を有する表面p+高濃度層を用いた紫外光高感度・高耐光性化技術を適用し、また厚さ20μmのp型エピタキシャル層を有するシリコン基板を適用することで、試作チップが190~1100nmの広光波長帯域に感度を有することを確認した。 さらに、列回路にオンチップ列並列アナログ-デジタル変換器を搭載するための回路構成の検討に着手した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
画素内電荷電圧変換ゲインの極大化と列回路の低ノイズ化について、両技術を組み合わせたCMOSイメージセンサを設計・試作してその特性を測定することで改善方策の効果を予定通り検証すると共に、研究計画を前倒ししてフォトダイオードの広光波長帯域化の実証と列並列アナログ-デジタル変換器搭載の検討に着手した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度までに明らかにしたノイズ低減方策の効果を基に、フローティングディフュージョン部と画素ソースフォロワの形成条件の調整、および列回路構成の再検討と回路パラメータの最適化を行い、最終目標である0.2個以下の入力換算ノイズ電子数と5万個以上の飽和電荷数を室温・線形応答で実証する。また、列並列アナログ-デジタル変換器を搭載した回路構成の検討を継続して進める。以上の内容をまとめ最終年度として研究の総括を行う。
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Research Products
(25 results)