2015 Fiscal Year Annual Research Report
メディア表現を支援するための情動を伴うインタラクティブな触覚インタフェースの研究
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15H02740
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
串山 久美子 首都大学東京, システムデザイン学部, 教授 (30453038)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
馬場 哲晃 首都大学東京, システムデザイン学部, 准教授 (30514096)
笠松 慶子 首都大学東京, システムデザイン学部, 教授 (90296385)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | インタラクティブインタフェース / 触覚 / 情動 / 感性工学 / メディア表現 |
Outline of Annual Research Achievements |
「喜び」や「遊び」といったポジティブな情動は、私たちの健康によい影響を与えることが最近注目されるようになった。これまで筆者らは障がい者と健常者がともに楽しいアクセシブルな視触覚ディスプレイの開発や触覚表現の研究から、開発された視触覚ディスプレイと体験者の情動が深く関連していることが予想された。しかし情動と触覚インタフェースの関係を究明した研究は少なく今後が期待される分野である。そこでこれまでの試作を基に、本研究は、メディア表現の向上を目的するために人の情動理論の知見に基づき、情動を誘発するインタラクティブな触覚インタフェースに関する研究を行う。本研究により、情動と触覚インタフェースの関係を究明し、その知見をアクセシブルな福祉デザインやコンテンツ制作などのメディア表現の支援に役立てる。 本研究は、メディア表現を支援するために人の情動理論と神経生理学の知見に基づき、情動を誘発するインタラクティブな触覚インタフェースに関する研究を行う。具体的には、①情動と触覚の関係を感性評価の実験を首都大学東京の笠松と串山が担当、その結果をふまえた②触覚インタフェースの開発と③コンテンツの制作を馬場と串山と④その検証を笠松と串山が担当する。本研究により、情動と触覚インタフェースの関係を究明し、その知見をアクセシブルデザインやコンテンツ制作などのメディア表現の支援に役立てる。 研究成果は国際的な論文発表と共に、実際に実装した展示として一般公開し、一般市民への科学技術とアクセシブルデザインへの理解の役割をも果たすと位置づけている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
27年度は、①情動に対応した触覚呈示インタフェースの感性評価予備実験について情動に対応する触覚のインタフェースの開発をするために、情動と触覚の関係を感性工学分野から、情動と触覚表現について調査と予備実験をおこなった。そこで、色×素材×仕上げの組み合わせによる情動との関係、素材の違いによる皮膚電位活動の変化、視覚・触覚・嗅覚の組み合わせによる感性への効果について調査を予備実験、情動と触覚表現についての調査をおこない関連研究の発表と結果をまとめをしている。また、②③情動に対応した触覚呈示インタフェースのハードウエアと制御プログラミングの開発と情動に対応した触覚呈示インタフェースのコンテンツ制作の検討をおこなった。その結果、「楽しさ」を誘発させるようなインタフェースの開発とこれまで情動表現としてあまり研究されていなかった「はかなさ」などの比較的ネガティブにとらえらる情動だが日本人の美意識を喚起するような情動に対応する表現などを視触覚呈示インタフェースとして提案することに成功した。各技術的基盤の実験を進めることを通じて感性工学と情報工学、表現の基礎的な研究を共同で行うことができた。 本年度の関係研究成果として、論文3件、学会発表15件をし、おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度は、初年度の開発を引き続き行う。①情動に対応した触覚呈示インタフェースの感性評価予備実験について情動に対応する触覚の組み合わせによる感性への効果のインタフェースの開発をするために、それぞれの組み合わせについての予備実験をまとめる。①の結果を生かし、②情動に対応した触覚呈示インタフェースのハードウエアと制御プログラミングの開発をする。実験を元にして、情動に即した触覚を検討し、触覚呈示インタフェースのハードウエアとプログラミングの開発をおこなう。③情動に対応した触覚呈示インタフェースのコンテンツ制作を開発する。 随時 研究会や実験展示など積極的に外部へ発表を行う。
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Research Products
(18 results)