2015 Fiscal Year Annual Research Report
信号の時間遅延現象を用いるコーティング式触覚センサ
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15H02760
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Research Institution | Fukushima University |
Principal Investigator |
高橋 隆行 福島大学, 共生システム理工学類, 教授 (70197151)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 接触センサ / コーティング / スプレー / 塗布 / 圧電素子 / 時間遅延 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年は,まずコーティング式触覚センサの抵抗膜を均一に塗布するための検討を行った。 まず,スプレーガンで均一に塗布するために,スプレーガンを一定速度で動かせるようにしたコーティング装置を作成した。作製した装置で塗布したところ,スプレーガンの進行方向の抵抗分布は多少のバラつきがあるものの,ある程度の均一性を確保できた。しかし,一部で抵抗分布の偏りが見られたため,塗布時に基材の配置を工夫するなどの工程上の改良を進め,最終的に,抵抗分布の偏りが抑制され,抵抗分布の均一性を向上させることができた。 また,さらに抵抗分布均一化の向上を目指して,様々な塗布方法の中でも均一な膜厚を得やすいとされるスパッタリングで抵抗膜の塗布を試みた。過去にZnO による高抵抗の膜を成膜した実績があったことから,抵抗膜の素材としてZnO を用いた。基板と圧電膜を塗布したSUS 板に1 時間スパッタしたところ,試料台の中心側の抵抗値が低く外側が高くなっており抵抗分布に大きな偏りが見られた。そこで,試料の配置を変えたりスパッタ時間を変化させて数度の試行を行ったが,結果として,抵抗分布のバラつきがスプレーガンで塗布した場合よりも大きかった。以上から,スパッタリングによる塗布実験では期待する結果を得ることができなかった。 以上の検討から,今後の試料作成では,スプレーガン方式を使用することとした。 ところで,当初使用していた抵抗膜材料は,時間の経過とともに抵抗値が大きく変化してしまうことが明らかとなった。そこで,新たに炭素系の抵抗膜材料を使用した試作を行った。その結果,安定した抵抗膜を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初想定していた手法が評価の結果不十分となり,新たな手法の開発を行わなければならないことも多々あるが,研究開発では通常のことであり,それらをひとつひとつ解決し,目標に向かって進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
基本的に,当初の計画に沿って研究を進める。今後は,センサモデルのさらなる精密化や,円筒面(センサがループ状となる)でのセンサ特性の把握など行い,本センサの実ロボットへの活用を目指す。
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Research Products
(1 results)