2016 Fiscal Year Annual Research Report
信号の時間遅延現象を用いるコーティング式触覚センサ
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15H02760
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Research Institution | Fukushima University |
Principal Investigator |
高橋 隆行 福島大学, 共生システム理工学類, 教授 (70197151)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 接触センサ / コーティング / スプレー / 塗布 / 圧電素子 / 時間遅延 |
Outline of Annual Research Achievements |
センサのモデル化では1 軸センサのモデル化を行った。RC 分布定数回路からT 型のRC 集中定数回路へ近似し,センサのモデルを構築した。はじめに,抵抗膜の幅が8[mm]のセンサでモデル化を試み,シミュレーションを行ったところ,遅延時間について実験結果と大きく異なる結果となった。そこで,抵抗膜の幅を1.5[mm]にしたセンサを用いて再度モデル化を試みたところ,遅延時間について実験値との誤差が小さくなった。さらに,信号の計測に用いたオシロスコープの等価回路をセンサのモデルに加えることで,シミュレーション結果が実験結果にさらに近づくことが分かった。これら一連の検討により,最終的に1 軸センサの基本的な回路モデルを構築することができたものと考えられる。続いて,車輪などの円筒曲面へ塗布したセンサの実現可能性について検討した。まず,円筒曲面に半周分塗布したセンサを試作し出力信号を確認した。平板センサと同様に時間遅延が生じ加圧位置によって遅延時間が変化したことから,本センサを円筒曲面に塗布させても位置検出センサとして機能することが示された。続いて,複数の平板センサを用いて円筒全周を塗布した場合を模擬して,センサの回路がループした状態での出力信号について検証した。ループ状態では接触点から出力端子へ直接伝搬する直接信号と,直接信号とは逆方向にある出力端子を通過し,迂回して伝搬する迂回信号が存在する。この状態での出力信号は直接信号と迂回信号が組み合わさった波形となる可能性が高いこと,迂回信号によって出力電圧比に影響を及ぼすことが分かった。しかし,センサ全体の回路を十分に長くすることで迂回信号が減衰され,出力信号への影響を抑制できることが分かった。以上の実験より,車輪などの円筒曲面へ塗布したセンサの実現が可能であると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
センサの1次元モデルの構築は成功し,また曲面への応用検討も順調に進捗している。一方,多点接触など2次元での接触の検知に関しては,1次元モデルの単純な拡張ではセンサ特性を正確に記述できないことが明らかとなり,現在その修正を行っている。これらの課題をひとつひとつ解決し,目標に向かって進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
基本的に,当初の計画に沿って研究を進める。今後は,センサモデルの2次元への拡張,多点接触に関する検討,移動ロボットへの適用などを進め,本センサの実ロボットへの活用を目指す。
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Research Products
(2 results)