2016 Fiscal Year Annual Research Report
水生植物根圏をプラットフォームとした微生物群集デザイン技術開発と水質浄化への応用
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15H02845
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
清 和成 北里大学, 医療衛生学部, 教授 (80324177)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 大介 北里大学, 医療衛生学部, 准教授 (70448091)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 水生植物根圏 / 遺伝子発現解析 / 微生物群集構造解析 / 水質浄化 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者らは、経済的で低炭素型の水質浄化が期待できる水生植物-根圏微生物共生システムが難分解性の化学物質分解促進作用を有しており、水生植物根圏に化学物質分解能に長けた微生物が選択的に集積、活性化されていることを明らかにしてきた。また、そのメカニズムの一端について、根圏から分離された微生物が水生植物と共生すると、表面付着のための線毛合成等に関わる遺伝子を顕著に発現させていることを明らかにしてきた。一方、水生植物はその種類や生育条件等に応じて、能動的にその根圏に集積させる微生物を選択していることも分かっており、目的に応じて人為的に根圏微生物群を制御した水生植物-根圏微生物共生システムの構築が期待できる。本研究では、その構築に向けた基盤技術の創出に向け、水生植物がどのようなメカニズムで特定の微生物を根圏に集積させようとしているのか、水生植物側の遺伝子発現解析を通して明らかにすることを目的としている。 本年度は各種微生物と共生している際に、水生植物がどのような遺伝子を発現しているのかについて、水生植物の微生物へのはたらきかけを明らかにしようとした。研究に使用する水生植物Spirodela polyrrhiza(ウキクサ)の全ゲノムを搭載したDNAマイクロアレイの作成に想定以上に時間がかかり、マイクロアレイメーカーとマイクロアレイスキャナメーカー間での細かい仕様確認をし、発注段階までで年度末を迎えることとなった。別途、ウキクサ根圏に集積する微生物群集について、新たにT-RFLP法による解析を開始した。実験装置や必要となるマイクロアレイのコンディションがようやく整ったことから、最終年度となる次年度に向けて、当初の目的が達成できるよう計画を練り直す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
初年度にマイクロアレイスキャナ(装置)の不調により、5ヶ月延長したことに引き続き、本年度はマイクロアレイメーカーとマイクロアレイスキャナメーカー間での細かい仕様確認が必要となるなど、研究に使用する水生植物Spirodela polyrrhiza(ウキクサ)の全ゲノムを搭載したDNAマイクロアレイの作成に想定以上に時間がかかり、その発注段階までで年度末を迎えることとなったため。
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Strategy for Future Research Activity |
実験装置や必要となるマイクロアレイのコンディションがようやく整ったことから、最終年度となる次年度に向けて、当初の目的が達成できるよう計画を練り直す。 具体的には、実験系の組み合わせの数を当初予定より減らすこと(3->2とする。ウキクサの根圏微生物Sphingobium fuliginis OMI株、コウキクサの根圏微生物Acinetobacter calcoaceticus P23株のみとし、Novosphingobium sp. FID3株を対象から外す)、水生植物や根圏微生物のRNA抽出に、大学で保有する全自動核酸抽出装置を適用することで、試料調整等の効率化を図ること、微生物の遺伝子解析等の実験に経験のある新たな研究分担者の追加(6月以降を予定)などによる。
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Research Products
(2 results)