2015 Fiscal Year Annual Research Report
追加・交換が容易な光磁気駆動エンドエフェクタをもつマイクロマニピュレータ
Project/Area Number |
15H03909
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
佐藤 海二 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 准教授 (00215766)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 機能要素 / マイクロマニピュレータ / 感温磁性体 / レーザ / ワイヤレス |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は,(a) 多様な環境で利用可能,(b) エンドエフェクタが交換容易,(c) コンパクトでワイヤレス駆動,を特徴とするマイクロマニピュレータの実現のために,永久磁石と感温磁性体よりなる推力発生要素の特定部分にレーザを照射・加熱することで,ワイヤレスで機能する光磁気駆動アクチュエータを用いた,2種類の機能部(把持機能部と回転機能部)を設計・試作し,その基本特性を調べた.目指すマニピュレータは,並進機能部を加えた3種類の駆動機能を必要とするが,指定方向から指定位置に照射できれば,各機能を発現できるように設計し,各機能部を独立に動作検証可能とした. (1)把持機能部の設計・試作・動作検証: ニードルを除く把持機能部を20mm角サイズの基板上に搭載できるように設計・試作した.使用するレーザ光源は,最大出力1W,スポット径1mmとした.以上の条件化で磁場解析を行い,磁気カップリングを介しても2.7mNのは磁力が得られる構造を決定した.そして試作装置を用いて,レーザ照射により磁気カップリングを介してニードルの駆動ができることを確認した. (2)回転機能部の設計・試作・動作確認: 外径10mmの感温磁性体製リングを用いた回転機能部を設計・試作し,回転駆動実験を行った.その結果,回転動作が可能であることを確認した.レーザ出力増加による速度向上効果は小さい一方,全体に温度が上昇し連続駆動を難しくする傾向が確認された. (3)並進機能部の構造検討とレーザ照射部の構成: 並進機能部の基本構成を検討し,マイクロマニピュレータを水平面上に自由に動作させ,かつ,その他2機能部を1個のレーザで駆動可能とするためには,照射角度が一定に保たれる2次元スキャンミラーが必要であるとの結論に至り,基本部分の設計・試作を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
システム構成を簡単にするために,1個のレーザ照射部で並進機能部と,把持機能部および回転機能部を駆動・制御するためには,照射角度が一定に保たれる2次元スキャンミラーが必要である.当初既製品の購入を計画していたが,本課題を遂行するための条件を満たすことができなかった.そのため新規に設計・試作に取り組んだため,遅れが生じている.
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Strategy for Future Research Activity |
(1)設計・試作した把持機能部と回転機能部は,簡単のため滑り案内を使用したため,耐久性に難があると予想される.そこで構造上の複雑さは増すが,転がり案内形式とする改良を行う.また更なる小型化も同時に追求する. (2)設計・試作した把持機能部は,並進動作を基本とするが,今後の製作・改良の容易性を考慮し,回転機能部と同様の構造とすることを検討する. (3)並進機能部に関しては,2次元スキャンミラーの構造を簡単にするアイデアがある.当初計画にはなく遅れの要因となるが,有効性を調べる必要があると考えている.
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Research Products
(3 results)