2016 Fiscal Year Annual Research Report
未来医療にむけた臓器機能維持,再生,評価のための肝臓内流動特性の解明
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15H03922
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
小原 弘道 首都大学東京, 理工学研究科, 准教授 (80305424)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松野 直徒 旭川医科大学, 医学部, 講師 (00231598)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 流体工学 / 医用工学 / 移植医療 / 臓器再生 |
Outline of Annual Research Achievements |
肝臓は,生命維持に不可欠な様々な機能を有しており,かけがえのない臓器の一つである.腎臓透析装置などの代替医療機器が臨床利用できない肝蔵では,移植のみが唯一の治療戦略であり,未来型の医療技術の確立が求められている.未来医療として,従来は移植の難しい心臓停止後に摘出された肝臓内に灌流液を供給し,臓器の機能を維持,回復さらには診断をおこなう臓器灌流技術に関する研究がすすめられている.しかしながら,これらを確立するためには,肝臓内の体内,体外での流動特性の解明が必要不可欠である. 本研究では,高度な移植医療,期待の高い再生医療をはじめとする未来医療の技術確立のために,微視的ならびに巨視的な視点からの臓器機能維持,再生,評価のための以下の3項目に着目し肝蔵内灌流による流動特性を解明した.(A)臓器内不均一流動分布特性の解明 (巨視的計測・解析) (B)血再灌流障害下の流動特性評価 (微視的計測・解析),(C)脈管相互制御機構の解明 (統合的計測・解析) 具体的な研究手段として,ヒトの肝臓に構造が近く,研究成果を臨床へのすみやかな展開が期待される,大動物(ブタ)を対象として実験を行う.実験は,門脈,肝動脈,肝静脈,胆管の流動特性に着目した巨視的(Macro)な研究,肝臓機能の基礎単位である流動学的にも興味深い類同構造に着目した微視的(Micro)な視点から,生体内灌流(In vivo),体外機械灌流(Ex vivo),数値流体解析と局所モデル解析を複合したコンピュータを利用した解析的手法(In silico)を有機的に併用し,これらを相互に比較検討することにより解明,評価を行った.当該年度においては,前年度の結果をふまえ微視的な視点からの虚血再灌流障害下の流動特性評価をあわせて流動特性を評価した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
3年間の計画の中で,若干前後して実施している実験項目解析項目などはあるもののいずれも順調に実施できており,おおむね順調に進展していると考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
現在計測したデータを微視的な視点から,生体内灌流,体外機械灌流,数値流体解析と局所モデル解析を複合したコンピュータを利用した解析的手法を有機的に併用し多面的な角度から検証を進めていく.
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Research Products
(9 results)