2015 Fiscal Year Annual Research Report
リモートフィールドを利用した配管内二相流の状態監視法の確立と事故時適用への挑戦
Project/Area Number |
15H04237
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
遊佐 訓孝 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (60466779)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江原 真司 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30325485)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | システム設計・安全工学 / 事項対応・保全技術 / リモートセンシング / トモグラフィー / 電磁非破壊評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
管外から気液二相流の分布に基づく電磁場の差異を検出するための要素技術の確立に向けた研究開発を行った。低導電性物質が時間変動電磁場に及ぼす影響を評価するための3次元有限要素法解析環境を構築し、本課題の解析のための適切な条件、より具体的には解析を適切に収束させることが出来る各種条件設定について検討を行った後、配管の口径、材質、管壁厚み、励磁周波数が及ぼす影響についての周波数領域における線形数値解析、及び管外にて発振した時間変動磁場を管内に導くための適切なシールド材質及び形状の評価のための時間領域における非線形数値解析を実施した。また、得られた解析結果に基づいて、本技術が適用しうる配管についての予備的な検討を行った。数値解析結果の実験的検証のため、数値解析と併せて、気液二相流試験装置の仕様を策定し、製作に着手した。後述するように数値解析の実施に当初予定よりもやや遅れが生じたことを鑑み、本年度は流動試験ループの製作よりも測定システムに関する検討を優先させた。磁場検出のためのセンサとしてはMIセンサを選定し、複数のMIセンサからの信号を切り替えて、同期検波を施した後に自動で収集することのできる測定システムを構築した。構築した測定システムの検証は、既往研究において用いた鋼材を対象とした電磁非破壊試験に適用することで行い、最終的に、本研究において用いることを予定している数Hz~数十Hz程度の周波数において、数値解析及び既往研究結果と合理的な範囲で一致する結果を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初研究計画では平成27年度早期に3次元有限要素法解析環境を整備し、線形周波数領域解析(実施項目(1))及び非線形時間領域解析(実施項目(2))により、管内二相流の気相と液相の空間分布を管外から評価するための詳細評価を実施した後、以後の検証試験のために用いる装置の仕様策定と製作を行う予定であった。しかしながら、解析環境の整備及び解析を収束させるための適切な条件設定を見出すために長時間を要してしまい、また必要となる解析時間も当初想定に比して数倍以上のものであることが明らかとなった。そのため、解析による検討に遅れが生じ、またそれに伴って試験部の仕様はある程度固めることが出来、また測定系については準備が整ったものの、装置の製作を完成させるには至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
上述のとおりやや遅れていることを鑑み、当初1台の予定であった計算機を2台に増強した。4年計画の初年度ということもあり、今後早期に当初予定していた解析を実施することで、遅れの挽回は可能であると考えられる。
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