2017 Fiscal Year Annual Research Report
Role of synaptic plasticity-related gene Arc on regulating cognitive function in the brain
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15H04258
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
奥野 浩行 京都大学, 医学研究科, 特定准教授 (80272417)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 活動依存的遺伝子発現 / シナプス / 記憶 / 海馬 / 可塑性 |
Outline of Annual Research Achievements |
神経細胞において生理的なシナプス刺激によって誘導される神経特異的前初期遺伝子Arcはシナプス可塑性やシナプス恒常性に直接関わる因子であるが、その作用機構の詳細は不明である。本研究の目的はArcによるシナプス調節機構と大脳認知機能の調節メカニズムを明らかにすることである。平成29年度では、これまで進めてきたいくつかの国際共同研究について成果をまとめ論文として発表した。まず、視覚野におけるArcの機能を調べるため、Arc発現を亢進させたトラスジェニック(Tg)マウスを作成し、視覚経験依存的な視覚野応答の変化を解析した。その結果、経験依存的な変化を引き起こす期間はArc Tgマウスにおいて通常のマウスよりも延長されていることが明らかになり、Arcが視覚野可塑性の時間枠を決定している可能性が示唆された(Jenks et al., 2017)。また、Arcタンパク質は細胞体や樹状突起部以外にも細胞核にも存在することが知られていたが、この細胞体と核での存在比は睡眠サイクルと相関して変化していることが明らかになり、この現象とグルタミン酸受容体の制御との関わりが示唆された(Honjoh et al., 2017)。また、Arc Tgマウスを用いた解析により、Arc mRNAの樹状突起局在と翻訳制御にはmRNAのスプライシング機構が関わっていることが明らかになった(Steward et al., 2017)。以上の結果よりArcによるシナプスおよび神経回路の調節機構の新たな側面が示され、今後の新しい研究展望が広がった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
s実験計画の各項目について順調に結果が得られており、一部の結果に関しては論文として報告した。また、その他の項目についても論文投稿準備中または研究の最終段階である。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度では、これまで得られたデータの定量解析と統計的評価を行い、結果の解釈と生物学的な意義を考察する。これらの結果や考察を論文としてまとめ科学雑誌上で発表する予定である。もしも計画どおりに進まない項目が出た場合は、他の項目にエフォートを移して研究取りまとめを行う。
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Research Products
(19 results)
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[Presentation] Roles of Arc/arg3.1 on surface expression dynamics of AMPA receptors during structural plasticity and on cognitive refinement processes.2017
Author(s)
Okuno H, Ishii Y, Endo T, Uehara M, Suzuki Y, Minatohara K, Araki A, Abe M, Imayoshi I, Kakeyama M, Sakimura K, Bito H
Organizer
Soc for Neurosci. Annual Meeting 2017 (Neuroscience 2017)
Int'l Joint Research
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