2016 Fiscal Year Annual Research Report
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15H04260
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山本 亘彦 大阪大学, 生命機能研究科, 教授 (00191429)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅生 紀之 大阪大学, 生命機能研究科, 助教 (20372625)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 軸索分岐 / 大脳皮質 / 水平軸索 / RhoGEF / RhoA |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでに、低分子量GTPaseのRhoAの活性化を促すRhoGEFファミリーの中に大脳皮質ニューロンの軸索分岐に促進的に作用する分子が複数個あることを明らかにした。本研究では、その中のARHGEF18に着目し、その軸索成長に対する機能を調べた。まず、ARHGEF18の発現をin situ hybridization法を用いて、ラット大脳で調べたところ、皮質ニューロンの軸索分岐が生ずる生後1-2週の時期に全層で広範囲に発現していた。ARHGEF18の機能を調べるために、皮質切片培養と局所的な電気穿孔法を用いて、2/3層ニューロンにARHGEF18の過剰発現させ、共導入したEGFPにより軸索を可視化したところ、層と並行に走る水平軸索の分岐が顕著に増加した。逆にARHGEF18のshRNAを導入しノックダウンすると、軸索分岐はコントロールよりも有意に減少した。また、過剰発現によって得られた軸索分岐は特に末端で活発であること、この軸索分岐の増加がRhoA直下に位置するセリンスレオニンキナーゼROCK阻害剤によって著しく低下したことから、ARHGEF18はRhoA-ROCK経路を経て細胞骨格を制御することが示唆された。次に、内在的なARHGEF18のin vivoでの機能を調べるために、子宮内電気穿孔法により皮質2/3層ニューロンに対してノックダウンコンストラクトを導入した。その結果、生後2週の時期でコントロールに比べて、2/3層ニューロンの主軸索から伸長する水平軸索の本数、ならびに水平軸索の分岐数が有意に減少することが判った。以上の結果から、ARHGEF18は発達期に大脳皮質2/3層ニューロンの軸索分岐を制御していることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
RhoAの活性化を制御するRhoGEFファミリーの一つARHGEF18が発達期大脳皮質2/3層ニューロンの軸索分岐を制御していることが明らかになり、当初の目的の中で重要な点が達成できた。
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Strategy for Future Research Activity |
ARHGEF18の発現あるいは機能が神経活動依存性、非依存性のどちらかであることは重要なポイントである。また水平軸索はげっ歯類から霊長類に共通であることも、特質した点である。これらの問題を明らかにすることが今後の研究推進に重要である。
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Research Products
(8 results)