2015 Fiscal Year Annual Research Report
トラクタ・ドライブシミュレータによる事故シナリオ抽出と危険回避制御ロジック構築
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15H04572
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
酒井 憲司 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (40192083)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ドライブシミュレータ / 農用トラクタ / カオス / FTサロゲーション / コヒーレンス / 非線形時系列解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
農業機械による死亡事故は我が国においては依然400人前後という高水準で推移し、中でも農用車両による事故はその半数を超える。急速に進む高齢化など様々な複合要因により、機体の安全研究、事故調査研究、教材開発による啓発の推進にかかわらず事故低減の兆しが見えない。本研究では、わが国で主流の小型トラクタを想定したドライブシミュレータ(トラクタDS)を開発し、仮想現実環境おける実操舵(マニュアルドライブ)・自動運転(オートパイロット)走行試験によって事故シナリオの抽出し、事故回避のための車体運動制御ロジックを開発する。また、事故を容易に体感できる普及ツールも開発し、多面的・戦略的に問題解決を図るに有効な要素技術群の整備を目指す。 初年度は、トラクタDSのプラットフォームとなるCarSimDSを用いて、トラクタDS主要部の開発を進めた。特に、サスペンションを具備しない農用トラクタにおいては、路面凹凸系形状によってジャンプ現象が発生うるなど、さまざまな非線形な動的挙動が生じるため、これを扱いうる車両モデルの構築がもっとも重要である。また、現実の路面と同様の統計的性質を有する路面形状を無限に生成することも、仮想堅実化における自律走行シミュレーションには必要でありFTサロゲーション法とコヒーレンスを組み合わせて、現実の路面と統計的に等価な性質を持つ3次元路面を無限に生成できる手法(低周波同位相化FTサロゲーション法)を考案した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
農用トラクタのドライブシミュレータにおいては、農道やオフロード走行を行うために多様な路面生成が重要となる。申請者の着想によって、FTサロゲーション法とコヒーレンスを組み合わせて、現実の路面と統計的に等価な性質を持つ3次元路面を無限に生成できる手法(低周波同位相化FTサロゲーション法)を考案した。 自然言語で記載された事故シナリヲをCarSimDSの仮想現実空間内に再現した。また、凹凸乗り越え実験を実機において実施し、これを数値実験結果と比較検証を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
実機実験結果に対して、車両の物理モデルの運動方程式を構築しルンゲ・クッタ法による数値計算結果とCarSimDSによるシミュレーション結果の3者を比較することにより、モデルに必要な修正個所を明らかにする。その際、通常の周波数分析とともに非線形時系列解析も実施し、Lyapunov指数、ポアンカレ断面などについての比較も行い、より現実に適合するようなモデルの改善に役立てる。
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Research Products
(2 results)