2015 Fiscal Year Annual Research Report
アディポカイン結合蛋白を標的にした動脈硬化診断法の開発
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15H04762
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
木原 進士 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20332736)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 浩靖 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00631201)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 蛋白質 / 医療・福祉 / 分析科 / 細胞・組織 / 生体分子 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、新規アディポカイン結合蛋白(AKBP)を同定し、アディポネクチンやオメンチンとAKBPとの複合体による動脈硬化発症機序を明らかにすると共に、複合体測定による動脈硬化疾患の診断法と、AKBPをターゲットとした治療法の開発につなげることを目的とする。
2015年度は、抗ヒトアディポネクチンモノクローナル抗体による免疫沈降と質量分析法により、ヒト培養細胞からE-selectin ligand (ESL)-1をアディポネクチン結合蛋白として同定した。ESL-1は血管内皮細胞のE-selectinと結合し、動脈硬化初期段階における単球のローリング現象に重要な分子であり、アディポネクチンが単球表面のESL-1に結合することによって単球と血管内皮との接着を阻害するという新たな抗動脈硬化機序を明らかにした。
動脈硬化性疾患で血中濃度が増加することを見出したアディポネクチン-AKBP1複合体(未発表)が、血清を抗アディポネクチン抗体で免疫沈降し抗AKBP1抗体でウエスタンブロットする系において、動脈硬化性疾患の症例数を増やして高値であることを明らかにした。しかし、多量体アディポネクチンを結合する抗体を固相化して複合体を結合し抗AKBP1抗体で検出するサンドイッチELISAでの測定値は、免疫沈降とウエスタンブロットで得られた複合体量を定量化できておらず、複合体の立体構造がELISAに用いている抗体の反応性に影響したためと考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
E-selectin ligand-1を新規アディポネクチン結合蛋白として同定し、新たな抗動脈硬化機序を明らかにした。また、新たなAKBPの同定や、測定系の開発が進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度も引き続き、ヒト血清や培養細胞から免疫沈降と質量分析法を用いたAKBPの同定を行う。並行してヒトゲノムデータベースを用いて既に同定したAKBPに共通するアミノ酸配列を含むcDNAの検索も行う。動脈硬化との関連が推定される分泌蛋白や受容体や機能が未知の分子を候補とし、候補分子のcDNAを用いて蛋白を発現させ、in vitroの系でアディポネクチンやオメンチンとの特異的な結合が確認されたものをAKBPとし、複合体測定系の開発と臨床意義の解明、動脈硬化モデルにおける機能解析を行う。
冠動脈疾患で血中濃度が増加することを見出したアディポネクチン-AKBP1複合体(未発表)が、血清を抗アディポネクチン抗体で免疫沈降し抗AKBP1抗体でウエスタンブロットする系において、症例数を増やしても冠動脈疾患で高値であることを確認し、定量系の開発を進める。
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Research Products
(2 results)