2015 Fiscal Year Annual Research Report
小児血管炎患者の血清中PAMPsの自然免疫受容体の解明による新規治療法の開発
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15H04877
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
原 寿郎 九州大学, 生体防御医学研究所, 研究員 (40150445)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 晶 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (40312946)
宮本 智文 九州大学, 薬学研究科(研究院), 准教授 (40182050)
西尾 壽乘 九州大学, 大学病院, 助教 (00507783)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 血管炎 / 自然免疫 / マススペクトロメトリー |
Outline of Annual Research Achievements |
自然免疫系Pathogen-associated molecular patterns(PAMPs)単独による、獲得免疫系を介さない血管炎の存在を明らかに、小児2大血管炎、川崎病とIgA血管炎患者血清から世界で初めてPAMPsを同定した。 今年度は、まずその川崎病特異的物質の再検討を行い、川崎病の臨床的特徴である地域性、季節性を証明する結果が得られた。既に報告した結果と同様、ある特定の細菌のバイオフィルム形成条件下での培養上清をある抽出法により、川崎病特異的物質と同じPAMPsを確認することができた。現在、その物質の構造解析を行っている。 一方で、自然免疫受容体によるリガンド認識を可視化できるレポーター細胞株を使って、川崎病特異的物質と同じPAMPsの受容体を検索を行った。いくつかの受容体がこのPAMPsであることがわかり、さらにそのPAPMsとの結合の確認やそのシグナル下流の解析を詳細に検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
川崎病特異的物質に多様性を認めており、その解析は複雑・難解であったが、平成27年度内にある細菌から同じPAMPsを検出できており、構造解析を現在行っている。そのPAMPsについての受容体についてもいくつかの候補を絞ることができた。以上からも、概ね順調に進展していると評価している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度での同定・確認できた特異的物質の構造解析をすすめていき、その物質が何であるかを追加実験し、考察していく。 また、上記のようにその物質の受容体の解析を行う。その受容体が既知の受容体でない場合や細胞質内受容体の場合には、さらには下流シグナルの解析を行う。自然免疫受容体の下流のアダプター分子は様々であり、それらのノックアウトマウスから骨髄由来樹状細胞や血管内皮細胞を採取し、川崎病特異的物質やPAMPsで刺激し、炎症性サイトカインの産生がないものが小児血管炎を惹起するシグナル伝達に関連するものと考えられ、そのシグナル伝達上流にある自然免疫受容体が血管炎を惹起する受容体と推定できる。 以上のように、リガンドとなる特異的物質とその受容体の2つの内容で病態解明のための研究をすすめていく。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] Identification of Pathogenic Cardiac CD11c+ Macrophages in Nod1-Mediated Acute Coronary Arteritis.2015
Author(s)
Motomura Y, Kanno S, Asano K, Tanaka M, Hasegawa Y, Katagiri H, Saito T, Hara H, Nishio H, Hara T, Yamasaki S
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Journal Title
Arterioscler Thromb Vasc Biol.
Volume: 35
Pages: 1423-1433
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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