2015 Fiscal Year Annual Research Report
1細胞レベルでの膵癌幹細胞の特性変化の細胞系譜的解析
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15H04922
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
関根 圭輔 横浜市立大学, 医学部, 助教 (00323569)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武部 貴則 横浜市立大学, 医学部, 准教授 (20612625)
谷口 英樹 横浜市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70292555)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 癌 / 細胞・組織 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでに同定したマウス膵癌幹細胞をセルソーターを用いて単離し、シングルセルレベルでマウス皮下に移植することによって、約1ヶ月程度で皮下に腫瘍が形成されたことから、移植細胞が腫瘍形成能を持つ癌幹細胞であることを明らかにした。この細胞分画の細胞をセルソーターを用いて分離し、マウス脾臓に移植することによって、臨床的に膵癌の転移先臓器である肝臓への転移能を評価した。すると癌幹細胞を含む細胞分画の細胞には肝臓への高い転移能を持つ細胞が含まれることが明らかとなった。さらに、移植細胞を原発巣から採取する時期を検討したところ、膵癌の進展レベルによって腫瘍形成能と肝臓への転移能は分離可能であること、すなわち腫瘍形成能は持つが転移能を持たない細胞が出現し、その後腫瘍形成のと転移能を同時に持つ細胞へと特性変化する事を明らかにした。よって、この細胞を用いることで癌の進行に伴う癌幹細胞の特性変化を追跡することが可能となったと考えられる。一方、研究代表者らが開発したヒトiPS細胞から臓器の原基(肝芽)を創出する立体臓器の3次元培養技術を、癌細胞に応用することによって癌オルガノイドを作出することを試みた。まず、ヒト膵癌細胞株を用い、血管内皮細胞および間葉系幹細胞と共培養する培養条件を詳細に検討した。その結果、自律的に立体組織が構成された癌オルガノイドの構築が見られた。さらに、特定の条件下で培養することによって、豊富な間質を含む3次元癌オルガノイドをin vitro条件下で作製することが可能となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画通りに、癌幹細胞の特定と3次元癌オルガノイドの作製法の確立を達成したため。
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Strategy for Future Research Activity |
3次元癌オルガノイドを作製し、in vitroおよびinv ivoでの癌幹細胞と血管内皮細胞や間葉系細胞との相互作用解析を実施する。これにより、転移能獲得における癌幹細胞と微小環境の細胞の相互作用を明らかにし、遺伝子発現情報などと付き合わせ、転移性癌幹細胞-微小環境相互作用にかかわる分子基盤の解明を試みる。また、本研究課題を基課題とした国際共同研究加速基金(国際共同研究強化)での研究と連動しながら、シングルセルレベルでの網羅的遺伝子発現解析を試みる。
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Research Products
(7 results)