2016 Fiscal Year Annual Research Report
Development of an innovative imaging system for clarifying cell-cell interactions linking cancer bone metastasis and bone metabolism
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15H04962
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
今村 健志 愛媛大学, 医学系研究科, 教授 (70264421)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | バイオテクノロジー / シグンル伝達 / 遺伝子 / タンパク質 / 細胞・組織 |
Outline of Annual Research Achievements |
生きているマウスの中で、乳がん骨転移巣におけるがん細胞と微小環境細胞の細胞間相互作用を可視化して解析するために、すでに申請者が開発した補償光学型長波長2光子励起顕微鏡をさらに高度化し、骨髄内で、高空間分解能または高時間分解能で多色イメージングが出来る革新的蛍光イメージングシステムを開発する目的で研究を進めた。具体的には、新規蛍光イメージングシステムの開発では、前年度に引き続き、高散乱体で屈折率差の大きい骨組織で焦点体積を最小化し、2光子励起顕微鏡観察を最適化するための高空間分解能イメージングユニット開発に焦点を絞り、長波長化の至適条件検討や補償光学系の改良など補償光学型長波長2光子励起顕微鏡の高度化を進め、骨髄イメージングにおける有用性を検討し、確認した。また、さまざまな蛍光タンパク質が発現するヒト乳がん細胞株の樹立では、励起・蛍光波長スペクトルの異なるさまざまな蛍光タンパク質が発現する乳がん細胞株として、昨年までに樹立した骨転移可能な乳がん細胞MDA-MB-231細胞とMCF-7細胞の2細胞についてBalb/c-nuマウス骨転移モデルでの動態確認を終えた。加えてマウス乳がん細胞株4T1細胞のイメージング可能な細胞株樹立に着手した。さらに、微小環境細胞にさまざまな蛍光タンパク質が発現するトランスジェニック(Tg)マウスの作製では、幹細胞ニッチ細胞の候補としてCXCL12発現CAR細胞にGFPまたはKusabira Orange (KO)の蛍光タンパク質が発現するマウスに関して、マウス乳がん細胞株4T1細胞が移植・骨転移可能で、免疫不全化のためにBalb/c-nuマウスと掛け合わせてヌードマウス化できるBalb/cへのバッククロスを終了した。さらに新たに骨微小環境細に異常の起こるKOマウスの樹立と解析を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
生きているマウスの中で、乳がん骨転移巣におけるがん細胞と微小環境細胞の細胞間相互作用を可視化して解析出来る革新的蛍光イメージングシステムの開発はおおむね順調に進展している。具体的には、高散乱体で屈折率差の大きい骨組織で2光子励起顕微鏡観察を最適化に必要な、1000 nmを越える励起光源波長を用いる場合の至適条件検討およびデフォーマブルミラー型補償光学素子の改良、液晶デバイス型補償光学素子の条件検討など補償光学型長波長2光子励起顕微鏡の高度化のための基礎実験は順調に進み、具体的に骨髄イメージングにおける有用性を検討し、確認した。また、実験に用いるヒト乳がん細胞のために、CFP、GFP、Venus (YFP)、mCherry(RFP)とiRFPなど励起・蛍光波長スペクトルの異なるさまざまな蛍光タンパク質の発現システムを準備し、骨転移可能なMDA-MB-231細胞とMCF-7細胞の2細胞に焦点を絞り、昨年樹立した蛍光タンパク質が発現する4種類の乳がん細胞株について、Balb/c-nuマウス骨転移モデルでの動態確認に成功した。さらに、骨髄内のがん微小環境細胞候補として、幹細胞ニッチ細胞として注目されているCXCL12発現CAR細胞にGFPまたはKOの蛍光タンパク質が発現するTgマウスを準備し、その免疫不全化のために、Balb/cへのバッククロスを8世代以上進めて終了した。Balb/c-nuマウスと掛け合わせてGFP-CAR 免疫不全マウスまたはKO-CAR免疫不全マウスを作製するための基礎実験は順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
1)新規蛍光イメージングシステムの開発では、前年度に引き続き、補償光学型長波長2光子励起顕微鏡の高度化を進め、特に骨髄イメージングに特化した至適条件の検討を進める。さらに、生きているマウスでの骨髄観察のための固定具及び麻酔・体温等の管理装置の改良を行う。 2)さまざまな蛍光タンパク質が発現する乳がん細胞株の樹立では、前年度までのMDA-MB-231細胞とMCF-7細胞にさまざまな蛍光タンパク質が発現する乳がん細胞株の樹立・動態確認に加え、Balb/c-マウスに移植可能なマウス乳がん細胞株4T1の樹立・Balb/c骨転移モデルでの動態確認を行う。 3)微小環境細胞にさまざまな蛍光タンパク質が発現するTgマウスの作製では、 CXCL12発現CAR細胞にGFPまたは KOが発現するマウスのBalb/cへのバッククロスが終了したので、当該マウスでの4T1細胞を用いた骨転移モデルを立ち上げる。さらにBalb/c-nuマウスと掛け合わせてヌードマウス化を試みる。骨微小環境細に異常の起こるKOマウスの解析を進める。 4)生きているマウスの骨髄内のがん細胞と微小環境細胞の細胞間相互作用の解析では、GFP-CAR- Balb/cマウスとKO-CAR-Balb/cマウスのバッククロスが終了したので、各種蛍光タンパク質を発現する4T1細胞を用いた骨転移モデル確率を進め、生きているマウスの骨髄内で4T1細胞とCAR細胞の相互作用を観察する。 5)骨髄で乳がん細胞の抗がん剤耐性に関与する細胞の同定では、骨髄でがん細胞が抗がん剤耐性を持つ際に関与する細胞を同定するために、微小環境細胞イメージング免疫不全マウスの骨転移モデルに5FU等の抗がん剤を投与して、生存するがん細胞と各種微小環境細胞の相互作用を明らかにする。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Quantitative imaging of fibrotic and morphological changes in liver of non-alcoholic steatohepatitis (NASH) model mice by second harmonic generation (SHG) and auto-fluorescence (AF) imaging using two-photon excitation microscopy (TPEM).2016
Author(s)
Yamamoto S, Oshima Y, Saitou T, Watanabe T, Miyake T, Yoshida O, Tokumoto Y, Abe M, Matsuura B, Hiasa Y, Imamura T
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Journal Title
Biochemistry and Biophysics Reports
Volume: 8
Pages: 277-283
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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