2016 Fiscal Year Annual Research Report
鼻性NK/T細胞リンパ腫におけるEBウイルス関連分子を標的とした診断治療法の開発
Project/Area Number |
15H04986
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
原渕 保明 旭川医科大学, 医学部, 教授 (80208686)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高原 幹 旭川医科大学, 医学部, 講師 (50322904)
長門 利純 旭川医科大学, 医学部, 助教 (80431419)
岸部 幹 旭川医科大学, 医学部, 講師 (80447101)
小林 博也 旭川医科大学, 医学部, 教授 (90280867)
上田 征吾 旭川医科大学, 医学部, 助教 (90447102)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 頭頸部外科学 / 悪性腫瘍 |
Outline of Annual Research Achievements |
鼻性NK/T細胞リンパ腫患者における血清中のEBウイルスマイクロRNA(EBV-miRNA)発現を解析し、バイオマーカーとしての有用性を検討したところ、miR-BART2-5pが高値であった。miR-BART2-5pは、in vitroにおいて鼻性NK/T細胞リンパ腫細胞株により直接分泌されることを確認した。血清miR-BART2-5p値は治療により低下し、病期進行例において有意に高値であった。また血清miR-BART2-5p高値群で有意に予後不良であることが確認された。これより、血清miR-BART2-5pは鼻性NK/T細胞リンパ腫の診断、予後予測において有用なバイオマーカーになりうる可能性が示唆された。
鼻性NK/T細胞リンパ腫細胞株をNOGマウスに皮下移植したXenograftモデルを樹立し、形成された腫瘍を摘出して組織学的検索を行ったところ、多形性に富んだ大小不同の腫瘍細胞で構成されており、形態学的に鼻性NK/T細胞リンパ腫患者組織に一致する所見であった。また、EBERが強陽性であり、本疾患細胞株をNOGマウスに移植してもEBウイルス感染が持続していることが確認された。さらに、鼻性NK/T細胞リンパ腫患者組織と血清中でそれぞれPD-L1とsoluble PD-L1の高発現、高値を認め予後との相関が確認された。
鼻性NK/T細胞リンパ腫細胞株において survivin が高発現していることを過去に本研究グループで確認しているため、 survivin の阻害薬であるterameprocolとmithramycin Aによる蛋白発現抑制を Western blot 法によって確認した。また鼻性NK/T細胞リンパ腫Xenograftモデルにterameprocolとmithramycin Aを投与したところ、腫瘍増殖抑制効果が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画における昨年度の目標は、ほぼ達成されていると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年に行った研究の継続と、平成29年度の研究計画に沿って研究を進行していく。
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Research Products
(6 results)