2016 Fiscal Year Annual Research Report
ラジカル殺菌によるインプラント周囲炎治療法のPOC取得のための検証的臨床試験
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15H05033
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐々木 啓一 東北大学, 歯学研究科, 教授 (30178644)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
庭野 吉己 東北大学, 歯学研究科, 教授 (40375184)
菅野 太郎 東北大学, 歯学研究科, 助教 (30302160)
中村 圭祐 東北大学, 歯学研究科, 助教 (30431589)
天雲 太一 東北大学, 歯学研究科, 助教 (80451425)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 水酸化ラジカル / インプラント周囲炎 / ラジカル殺菌 / 医療機器 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度には平成27年度から開始したイヌを用いた動物試験を継続して実施した(東北大学動物実験専門委員会承認番号2015歯動-054)。コットンリガチャーをインプラント周囲のポケットに挿入して実験的にインプラント周囲炎を発症させた。リガチャーは2~3週間に一度の間隔で交換し、合計で22週間にわたってインプラント周囲炎を惹起した。その後、リガチャーを除去し急性炎症を消退させる目的で4週間の期間を空けてから治療を行った。治療群は次の4群とした;Group 1:3%過酸化水素+波長365nmLED照射、Group 2:3%過酸化水素、Group 3:波長365nmLED照射、Group 4:水。Blocked randomizationで下顎の片側ごと(3本のインプラント)に治療法の無作為割付を行った。治療はフラップをあけて、プラスチックキュレットで肉芽組織を除去し、その後プラスチックスケーラーチップを用いた超音波スケーリングと上記の治療併用し、インプラント1本あたり5分間の治療を行った。治療後治癒期間を12週間設定し、ペントバルビタールの過剰投与で実験動物を犠牲死させ、10%ホルマリンで還流固定後、下顎の生検を採取した。採取した生検を10%ホルマリンで浸漬固定し、精密切断機でインプラントごとのブロックを切り出した。切り出したインプラント周囲の骨の状態を評価するために、マイクロX線CT撮影を行い、その後通法に従った脱水、レジン包埋を行った。今後、マイクロX線CTの画像解析および組織標本を用いた新生骨によるRe-osseointegrationの獲得の有無について分析を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画よりもイヌのインプラント周囲炎を発症させるのに時間を要したが、概ね計画通りに進んでいる。ただし、臨床研究の実施については、イヌの実験が終了してから、有効性および安全性が十分に確認された状態で計画および倫理委員会申請を実施することとした。
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Strategy for Future Research Activity |
動物実験の結果を解析するとともに、細菌汚染されたチタン表面におけるオッセオインテグレーションの獲得についてin vitroおよびin vivoでより詳細な知見を得るための実験を実施する。
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