2015 Fiscal Year Annual Research Report
マルチプレックス法と流行地住民コホートを用いたマラリア・ワクチン候補抗原の発掘
Project/Area Number |
15H05282
|
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
藤井 仁人 長崎大学, 熱帯医学研究所, 助教 (10404237)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金子 聰 長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (00342907)
後藤 健介 大阪教育大学, 学校危機メンタルサポートセンター, 准教授 (60423620)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | マラリアワクチン / マルチプレックス法 / コホート |
Outline of Annual Research Achievements |
倫理審査を申請し、認められた。調査地は、マラリア流行地であるケニア共和国の西部州Busia県とし、Alupe小学校を選択した。今後、在籍する生徒全員(約500名)を対象として、マラリア感染と発症についての追跡調査を行う。 Alupe小学校の教員及びBusia県の行政担当者(保健及び教育部門)に本研究を説明し、理解と許可を得る事ができた。またBusiaにあるケニア中央医学研究所(KEMRI)内に検査用の実験室を整備し、隣接する病院との協力体制(見出したマラリア患者の治療)を構築した。これらはフィールドで研究調査をするための重要な土台となる。 長期に渡る小学校教員のストライキがあり、当初の予定よりは少し遅れて開始したが、1か月間の予備調査を行う事が出来た。予備調査により、調査のために必要な人員数や物品の確認を行う事ができ、本調査をスムーズに進めるための重要な情報となった。マラリア発症を追跡するための、学校教員からの情報提供システム(欠席や体調不良の児童)も、問題なく機能した。またナイロビから派遣したケニア人スタッフが調査地と活動(バイクによる欠席児童宅訪問とマラリア診断)に慣れ、現地の教員や協力スタッフと活動を共にし、信頼関係を構築した事も重要である。 さらに、予備調査から、予想を超えた数の不顕性感染者(原虫陽性、症状なし)が見られ、発症予防ワクチンの候補抗原を探索するための検体が得られる可能性が高いと考えられた。従って、本調査地において追跡調査を行う事が適当であると判断できた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
倫理審査を申請し、認められた。予備調査を行う事ができ、本調査のための基礎データと準備ができた。候補抗原のクローニングと精製は完了していないが、追跡調査が完了するまでに十分な時間があるので、問題ない。
|
Strategy for Future Research Activity |
予備調査から、選定したAlupe小学校がマラリアの大流行地にあり、多数の生徒がマラリアの不顕性感染者であった事から、調査地として適当であると判断でき、この学校で追跡調査を行う。この様な追跡調査により得られた検体を用いた抗原のスクリーニングは稀である事から、初期の計画である報告された候補抗原を用いる事に加え、自ら抗原の探索を行う事も新たに計画を始める。そのためには、正確な追跡調査による検体の分類(感染抵抗性、発症抵抗性、発症感受性)が必要である事から、常に現地の状況をモニターする事で、成功させる。
|
Research Products
(1 results)