• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2015 Fiscal Year Annual Research Report

鋳型複製系における配列情報の対称性の破れと遺伝情報の発現

Research Project

Project/Area Number 15H05460
Research InstitutionTohoku University

Principal Investigator

鳥谷部 祥一  東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40453675)

Project Period (FY) 2015-04-01 – 2018-03-31
Keywords生命の起源 / DNA / 非平衡
Outline of Annual Research Achievements

生命の構造の最も大きな特徴は,遺伝情報によって秩序化されていることである.したがって,遺伝情報を保持し自己複製する「種」の登場は,生命起源の本質的なステップである.しかし,種の起源を説明する有力な機構はまだない.生命起源の標準的モデルである鋳型複製系では,多様な配列の情報高分子 (DNA ,RNA ,ポリペプチドなど ) が情報の複製を繰り返す.我々は,鋳型複製系では,情報が指数関数的ではなく超指数関数的に増幅されることを実験および数値計算ですでに確かめている.超指数関数的な増幅においては,小さな揺らぎが発展し,情報を保持し続ける反応ネットワークが自発的に生じる.指数関数的な増幅で問題となるエラーカタストロフィーが生じづらく,情報を長く保持できる.本研究では, DNA を用いた鋳型複製系において,ライゲーション反応だけではなく,その逆反応も生じる可逆鋳型複製系を実現する.この実験系を用い,超指数関数的な増幅の詳細を実験的に調べる.
まず,数値計算により,逆反応があると対称性の破れが強くなり遺伝情報が自発的に生じやすくなることを示した.特に,相補的結合をしていない 1 本鎖DNA を選択的に切断すると,対称性の破れが非常に強くなることを示した.なお,紫外線などによる DNA 損傷は1 本鎖 DNA の方が2 本鎖 DNA よりも強いことが知られている.この結果を元に実験系を設計し,制限酵素をうまく用いることで, 1 本鎖DNA を選択的に切断できる実験系を開発した.さらに,熱耐性のある DNA ライゲースと組み合わせて,可逆な反応系を実現した.現在,実験条件を最適化している.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

数値計算により, 1 本鎖DNA を選択的に切断すると,対称性の破れが非常に強くなることを示した.当初, DNA/RNA ハイブリッド分子を特異的に切断する実験系を計画していた.この実験系を試したところ, 1 本鎖の特異的な切断は難しいことが分かった.一方,制限酵素 TfiI を用いることで, 1本鎖 DNA を選択的に切断することが可能だと分かった.この制限酵素と DNA ライゲースを組み合わせることで,可逆的な反応を試みている最中である.現在,可逆な反応のための最適な実験条件を探している.

Strategy for Future Research Activity

まず,切断とライゲーションの可逆な反応の最適条件を検討する.その後,モルキュラービーコンを用い,異なる配列のリアルタイム検出を試みる.さらに,この実験系を1次元キャピラリー中で実装する.キャピラリーの温度をペルチェ素子を用いて周期的に変化させる.この 1 次元系を用い,超指数関数的な増幅の大きな特徴である「異なる分子種が空間的に共存できる」ことを実証する.

  • Research Products

    (1 results)

All 2015

All Presentation (1 results) (of which Invited: 1 results)

  • [Presentation] 遺伝情報はいかに生まれうるのか2015

    • Author(s)
      鳥谷部祥一
    • Organizer
      山田研究会
    • Place of Presentation
      ラフォーレ修善寺(静岡県修善寺)
    • Year and Date
      2015-11-16 – 2015-11-18
    • Invited

URL: 

Published: 2017-01-06  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi