2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15H05586
|
Research Institution | Okazaki Research Facilities, National Institutes of Natural Sciences |
Principal Investigator |
宮成 悠介 大学共同利用機関法人自然科学研究機構(岡崎共通研究施設), 岡崎統合バイオサイエンスセンター, 特任准教授 (60469608)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 遺伝学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、PMLボディによる転写制御機構を解明することを目的としている。まず、PMLボディと相互作用するゲノム領域の同定を目指して、実験系のセットアップをおこなった。当初の目的通り、実験に使用するノックインES細胞の調整、実験の条件検討をおこなった。ビオチンラベル反応の実験条件を検討する際に、酵素基質の濃度および反応時間を最適化することによって、効率よくPMLボディをラベルできることを免疫染色によって確認することができた。酵素基質は、当初市販されていなかったので、長崎大学薬学部の淵上准教授との共同研究のもと合成した基質を使用した。さらに、ビオチンラベルした細胞から、固定後、ソニケーションによりクロマチンを回収し、PMLボディと相互作用するゲノム領域を、免疫沈降法により生成することに成功している。PMLボディと相互作用することが既に報告されているテロメア配列の濃縮度合いを、定量的PCR法により確認したところ、予想通り、テロメア配列が特異的に濃縮されていた。また、精製したDNAを蛍光ラベルし、DNA-FISHをおこなうと、DNA-FISHのシグナルがPMLボディと共局在することが確認された。このことは、本実験手法により、PMLボディと相互作用するクロマチン領域を解析することができることを強く示唆している。現在、標的ゲノム領域を網羅的に同定するために、九州大学大川教授との共同研究のもと、次世代シーケンサーを用いて解析している。また、PMLノックアウトES細胞も作成中である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の実験計画通りに、順調に進展している。
|
Strategy for Future Research Activity |
次世代シーケンサーにより、PMLボディと相互作用する領域を同定し、その相互作用の機能解析をおこなう。具体的には、PMLタンパク質をノックダウンし、転写や複製などのゲノム機能への影響を解析する。
|