2017 Fiscal Year Annual Research Report
Uncovering roles of PML bodies in transcription
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15H05586
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Research Institution | Center for Novel Science Initatives, National Institutes of Natural Sciences |
Principal Investigator |
宮成 悠介 大学共同利用機関法人自然科学研究機構(新分野創成センター), 生命創成探究センター, 特任准教授 (60469608)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | クロマチン |
Outline of Annual Research Achievements |
PML bodyは哺乳動物の核内に局在する核内構造体である。これまでに、PML bodyの役割としてがん化や老化への関与が報告されているが、その詳細な分子メカニ ズムは明らかとなっていなし。本研究では、PML bodyが核内に特異的に局在することに着目し、転写制御への役割を解析することを目的として研究を遂行した。 まず、PML bodyと相互作用するゲノム領域をゲノムワイドに解析するために、ALAP-seq法を新たに開発した。ALAP-seq法は、改変型ペルオキシダーゼAEPX2を用い て標的核内空間を特異的にビオチンラベルし、ラベルされたクロマチン領域を次世代シーケンサーを用いて解析する手法である。ALAP-seqによって、PML bodyが 転写活性化しているゲノム領域と相互作用していることを明らかにすることができ、特にY染色体上にあるクラスター化した遺伝子群の転写制御に重要な役割をに なっていることを明らかにした。これまでに、様々な転写因子による転写制御機構が明らかになっているが、ゲノム中の一部の狭い領域にクラスター化して存在 する遺伝子群がどのように協調的に転写制御されているかは明らかになっていない。本研究では、核内構造体という比較的大きな構造体が、周辺のクロマチンと 相互作用することによって、そのゲノム領域を一括して制御することが明らかになった。このような制御機構はこれまでに報告されておらず、複雑な遺伝子発現 の制御機構を理解する上で、非常に新しい知見である
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ALAP-seqは、既存のNGS技術とはまったく異なるため、ALAPseqに特価したデータ解析が必要とされた。今回、データ解析のためのパイプラインを作成するのに時間を要したが、その他の研究予定は順調に遂行することができ、おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
ALAPseqによってPML bodyと相互作用するゲノム領域を特定することができ、その生物学的意義の一旦を明らかにすることができた。一方、ゲノムとPML bodyがどのようなメカニズムで相互作用するのかは明らかになっておらず、今後の研究課題といえる。また、マウスES細胞を主に用いて解析をおこなったが、他の細胞種、さらには生体内ではPML bodyがどのように転写調節しているのかは不明である。今後は、モデルマウスを作成することによって、PML bodyのより詳細な機能を解析する予定である。
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Research Products
(2 results)